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DTPオペレーターへの転職に資格取得は有効?転職に役立つオススメ資格

「DTPオペレーターとして、今よりも条件のよいところで仕事がしたいけれど、どうしたらいいのかわからない」、「未経験でもDTPオペレーターの仕事は務まるのか知りたい」とお考えの人は多いのではないでしょうか。

本記事では、そのような悩みや疑問にお答えすべく、DTPオペレーターについてわかりやすく解説しています。

これからDTPオペレーターとして転職を考える皆さんは、ぜひ参考にしてみてください。

 

DTPオペレーターとは

 

DTPオペレーターとは、印刷物の制作のために必要な版下、製版データをパソコン上で制作する職種です。DTPソフト(Photoshop、Illustrator、InDesignなど)を使いこなし、編集者やデザイナーの指示通りに文章や加工した画像などを配置していきます。DTPソフトの操作ができ、指示通りに版下、製版データの作成ができれば、未経験でも職を得ることが可能です。

 

DTPオペレーターの仕事内容

DTPオペレーターの実際の仕事は、大まかに以下のような流れで進めます。

  1. クライアントから原稿受領(指示書、画像、文章など)
  2. フォーマットの作成
  3. 原稿データの入力(画像サイズや解像度の修正、文章をテキストデータに変換する作業などを含む)
  4. レイアウトの調整や修正(印刷後の修正が困難なため細心の注意が必要)
  5. 校正、修正、納品(修正箇所がなくなるまでやり取りを繰り返す)

 

DTPオペレーターとデザイナーとの違い

DTPオペレーターは基本的に、デザイナーがデザインした原案を元に文字の配置やレイアウト調整などを行って印刷物を仕上げます。一方で、デザイナーは、チラシ、POP、広告などのデザイン作業を行います。

しかし、デジタル化の進行により、両職種の仕事内容の境界線が曖昧になっていることも事実です。

所属する企業や、受注する案件によっては、DTPオペレーターでもデザインを求められることがあります。どの範囲まで求められるかを事前によく確認することが必要です。

 

DTPオペレーターのやりがい

制作物がクライアントの要望通りに完成し、納品時に喜んでもらえたり感謝されたりする時こそ、苦労が報われる瞬間です。

自分の制作した印刷物が世間に出回るようになると、さらに手応えや達成感を味わえます。このように、完成品を手放す時の達成感は、モノづくりの醍醐味で、大きなやりがいと言えるでしょう。

 

DTPオペレーターの適性

DTPオペレーターの適性は、パソコン操作が苦ではなく、モノづくりにやりがいや喜びを感じられることが大前提です。

その前提をクリアした上で、指示に従った画面上の細かな作業や、ミスを防ぐための丁寧なチェックなど、集中力のある人がDTPオペレーターに向いています。

DTPソフトの操作がスムーズで、正確でスピーディーな作業ができる人ほど、制作の現場で重宝されるでしょう。

制作物に対して何度も修正依頼がくることもあるので、要望を適切に聞き出し、制作物に反映させられるコミュニケーション能力も必要な職種と言えます。

 

DTPオペレーターの平均年収

 

厚生労働省の職業情報提供サイトの統計データによると、DTPオペレーターの全国の平均年収は、423.5万円です。

年齢別の年収では、55歳くらいの490.15万円まで緩やかに上昇し、60歳を過ぎて下降しています。DTPオペレーターの平均年収は決して高くはありませんが、就職する会社によって大きく変わってきます。

技術職の強みは、技術力を高めて市場価値を上げれば、転職による収入アップが可能なところです。意欲的に自己のスキルアップや、仕事の幅を広げることなどに挑戦してみましょう。

*参考 厚生労働省職業情報提供サイト「jobtag」

 

未経験からDTPオペレーター転職を目指す方法

 

DTPオペレーターは、DTPソフトを使いこなし、指示書通りに印刷物のデータをパソコン上で作成できれば問題ないので、未経験でも就業可能です。ただし、知識や技術がなくても以下のような方法で学べます。

 

専門学校で学ぶ

DTPオペレーターの知識や技術を専門学校で学べます。未経験、初心者から学べるコースや、キャリアアップに特化したコース、個別指導、オンライン講座など、豊富な選択肢があります。

自分に合った専門学校やコースを選ぶことで、無理なくスキルを身につけられるでしょう。

 

職業訓練校で学ぶ

失業中の人だけでなく、在職中でもキャリアアップのための転職をしたい人など、要件に当てはまれば誰でも入学できます。

DTPの課程もあるので、まずはハローワークで求職の申し込みを済ませ、選考を受けてみましょう。卒業後の就職先の紹介もしてもらえることがメリットです。

 

資格を取得する

DTPオペレーターの仕事に関連し、スキルアップにもなる資格があります。目に見えない技術力や能力の証明になるので、取得すると転職時に有利になります。

独学する、スクールに通う、オンラインで学ぶなど、生活スタイルに合う学び方で資格取得に挑戦してみましょう。

 

ポートフォリオを作り転職活動する

まずは、独学でもスクールでもよいので、DTPソフトの使い方を学び、できるだけ多くの作品を作りましょう。名刺でもチラシでもCDジャケットでも、はじめは模倣して作って構いません。

これらを自分のポートフォリオ(作品集)としてまとめ、転職活動時に採用担当者に見てもらいましょう。仕事に対する意欲をアピールできますし、適性や能力も証明できます。

未経験だと採用数は少ないので、もし採用されたら、はじめのうちは雑務でもなんでもこなして、実務経験年数を積みましょう。実務経験年数を積めば、次の転職時には経験者として活動ができます。

 

DTPオペレーター転職に役立つ資格とスキル

 

DTPオペレーターの仕事をする上で、特定の資格は必要ありません。しかし、DTPオペレーターの転職の際には、いかに自分が即戦力であるかをアピールすることが重要です。

自分のDTPに関する技術や能力を高めて、かつ証明できるようにするには、資格の取得が有効でしょう。次に、オススメの資格と、習得しておくと有利なソフトをご紹介します。

 

Photoshopクリエイター能力認定試験

Photoshopクリエイター能力認定試験とは、「Photoshop」の活用能力を測定・評価する資格検定試験です。

ソフトウェア活用能力認定委員会が主催し、学歴、年齢等に制限がないので誰でも受験できます。習得レベルによって2級種(エキスパートとスタンダード)に分かれており、自分のレベルに合った試験を受験することが可能です。

試験内容は実践的で、基礎知識やツールの基本的な使い方はもちろん、実際の制作現場での作業内容に関する設問で構成されている点が特徴です。

資格取得のための勉強が就職後の実際の業務にそのまま活かせるので、自己のスキルアップにもスキルの証明としても、取得するメリットが大きい資格と言えるでしょう。

級種 認定基準 合格基準 試験時間
エキスパート Photoshopを活用し、クライアントのニーズに対応した創造性の高いコンテンツ制作ができる。

デザインコンセプトや表現の目的に応じて適切な機能を選択し、表現できる。

DTP/Webデザインに関する基本的な知識がある。

知識問題・実技問題の得点率65%以上で、かつ実践問題の得点率70%以上 第1部(知識・実技)

50分

第2部(実践)

90分

スタンダード Photoshopを活用し、指示通りの作業を正確かつ合理的に行える。

作業指示書に基づいた制作ができる。

Photoshopの基本的な操作ができる。

実技問題の得点率65%以上で、かつ実践問題の得点率70%以上 第1部(実技)

40分

第2部(実践)

90分

*参考 Photoshopクリエイター能力認定試験

 

Illustratorクリエイター能力認定試験

Illustratorクリエイター能力認定試験とは、「Illustrator」の活用能力を測定・評価する資格検定試験です。

上記のPhotoshopクリエイター能力認定試験と同様、ソフトウェア活用能力認定委員会が主催し、学歴、年齢等に制限がないので誰でも受験できます。レベル別で2級種に分かれ、それぞれに実践的な試験内容が特徴です。

資格取得のために習得した内容は、就職後に即戦力として働くために必要な実力につながるでしょう。

級種 認定基準 合格基準 試験時間
エキスパート Illustratorを活用し、クライアントのニーズに対応した創造性の高いコンテンツ制作ができる。

デザインコンセプトや表現の目的に応じて適切な機能を選択し、表現できる。

DTP/Webデザインに関する基本的な知識がある。

知識問題・実技問題の得点率65%以上で、かつ実践問題の得点率70%以上 第1部(知識・実技)

50分

第2部(実践)

90分

スタンダード Illustratorを活用し、指示通りの作業を正確かつ合理的に行える。

作業指示書に基づいた制作ができる。

Illustratorの基本的な操作ができる。

実技問題の得点率65%以上で、かつ実践問題の得点率70%以上 第1部(実技)

40分

第2部(実践)

90分

*参考 Illustratorクリエイター能力認定試験

 

DTPエキスパート

DTPエキスパートとは、印刷物制作のスペシャリストとして、印刷物制作の全体像を把握し、各工程間の段取りと的確な指示を行える人材の育成を目指した資格試験です。次の関連知識を習得した人材を認証します。

  • DTP
  • 印刷技術
  • 情報システム
  • コミュニケーション

主催は公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)で、DTPに関心がある人なら誰でも受験できます。

ただし、認証期間が2年間と定められており、認証継続には更新試験を受験する必要があるので注意が必要です。アップグレード試験は、実技試験(課題制作)のみで、DTPエキスパートの有資格者が受けられます。その他、試験の詳細は以下の通りです。

試験形式 合格基準 出題範囲
DTPエキスパート・マイスター 学科試験(CBT方式)および実技試験(課題制作) 学科試験(120分)

ランダムに配置される5つのカテゴリーのすべてにおいて正解率80%以上

(5つのカテゴリーとは、DTP、色、印刷技術、情報システム、コミュニケーションと印刷ビジネス)

実技試験

提出物を総合的に評価する

DTPエキスパートカリキュラムに準ずる。DTPエキスパートに求められる知識水準として、DTP、色、印刷技術、情報システム、コミュニケーションと印刷ビジネス、の5カテゴリーを設定。これらの総合的な知識と実践を問い、メディア構想を実体化する力を醸成する。
DTPエキスパート 学科試験(CBT方式)

*参考 JAGAT「DTPエキスパート」

 

DTP検定

DTPを習得した実力あるクリエイターの、客観的な証明のために作られた資格検定です。本資格を取得すれば、出版、広告、印刷などのメディア業界はもちろんのこと、DTPに関わるあらゆるビジネスシーンで有効です。

DTPにおけるセンスと技術の証明ができれば、就職や転職活動にも有利になるでしょう。

職種別に2つのコースがあるので、現在自分が活躍している、もしくは今後活躍したい職種の検定の受検をオススメします。コース別の特徴は以下の通りです。

DTPディレクション
職種 編集者、広報宣伝担当者など、印刷物制作の全工程を総合的に管理、監督するディレクター
検定のポイント
  • 印刷物制作の準備が的確に行える
  • 表現方法を決定し、情報を伝達しやすい紙面を計画できる
  • 原稿作成や素材データ作成、レイアウト作成の指示および確認が正確にできる
  • 印刷、加工の指示および確認が正確にできる
試験内容 試験時間は90分、出題数は100問。

印刷物制作の全工程を管理監督するディレクターとしての能力を問う(使用ソフトの限定はなし)

認定のメリット
  • 出版社
  • 制作プロダクション
  • 印刷会社のクリエイティブセレクション
  • 企業の広告部門などの印刷物発注者
  • 広告代理店や印刷会社の営業部門など

これらを代表とした印刷物を管理するポジションでの活躍が期待できる

 

DTPビジネス
職種 営業職や事務職をはじめ、文書作成を必要とするすべてのビジネスパーソン
検定のポイント
  • ワープロソフトの機能を活用し、美しく読みやすいレイアウトを作成できる
  • 外注スタッフへの発注の基礎知識がある
  • 印刷会社との円滑なコミュニケーションに必要な知識がある
試験内容 試験時間は60分、出題数は60問。

Microsoft Wordを使用したレイアウト作成を想定し、見栄えよく読みやすい印刷物の作成能力があるか、また、基本的なデザインの知識があるかについて問う

認定のメリット さらにキャリアアップした仕事への就職、転職に役立つ

*参考 DTP検定

 

色彩検定

公益社団法人色彩検定協会の主催で、文部科学省後援の公的資格です。DTPオペレーターにも有益な、色の基礎知識から、配色技法、専門分野における利用などを幅広く学べます。

感性や経験によらず基本理論を身につけられるので、DTPオペレーターの能力の土台として、資格を取得すれば他者との差別化が図れるでしょう。

受検資格は、制限がなく、どの級からでも受けられます。なお、UC級とは色のユニバーサルデザイン級のことで、色覚の多様性に配慮した誰もが見やすい色使いについての知識の認定をするものです。

3級 2級 1級 UC級
実施時期 夏季(6月)

冬季(11月)

夏季(6月)

冬季(11月)

冬季のみ

1次(11月)

2次(12月)

夏季(6月)

冬季(11月)

試験方式 マークシート方式 マークシート方式(一部記述式) 1次|マークシート方式

2次|記述式

マークシート方式(一部記述式)
試験時間 60分 70分 1次|80分

2次|90分

60分
内容 光と色、色の表示、色彩心理、色彩調和、配色イメージ、ファッション、インテリア、など。以上のような色彩に関する基本的な事柄を理解している。 色のUD、光と色、色の表示、色彩心理、配色イメージ、ビジュアル、ファッション、インテリア、景観色彩など。3級の内容に加え、以上のような基本的な事柄を理解し、技能を持っている。 色彩と文化、色彩調和論、光と色、色の表示、測色、色彩心理、色彩とビジネス、ファッション、景観色彩など。2級と3級の内容に加え、以上のような事柄を十分に理解し、技能を持っている。 色のユニバーサルデザイン、色が見えるしくみ、色の表し方、色覚のタイプによる色の見え方、高齢者の見え方、色のUDの進め方など。配色における注意点や改善方法を理解している。
合格ライン 満点の70%前後。

問題の難易度により多少前後する。

*参考 色彩検定

 

InDesign

InDesignとは、Adobe社が提供しているDTP専用のソフトウェアです。雑誌編集や書籍、カタログ、参考書、説明書など、複数ページにまたがるものから、チラシ、ポスター、広告などの1枚で完結するものまで、幅広く使用されています。

図形、画像、テキストの配置のしやすさなどから、DTPソフトの中でも、世界トップクラスのシェアを誇っています。

InDesignの検定試験はないので、転職活動時に技術の証明はできませんが、入職するまでに使えるようになっておくことで、実務に活かせることは間違いありません。独学でもスクールでも自分に合った学習の仕方で、InDesignを習得しましょう。

*参考 Adobe「InDesign

 

イベント業界でDTPオペレーターの仕事を探そう!

 

イベント業界とは、イベントの企画、制作、運営を行う業界であり、これらに関連した仕事を行う会社がイベント会社です。イベントの例としては、次のようなものがあります。

  • コンサート
  • 展示会
  • セミナー
  • ショー
  • 大会
  • 舞台
  • お祭り

イベントの企画、制作、運営には、多くの業種が携わっています。たとえば、総合管理をする広告代理店や総合制作会社はもとより、演出、会場設営、音響、照明、映像などの制作に関わる業種や、進行運営、警備、清掃、運営その他に関わる業種などです。

では、この幅広い業種が関わるイベント業界で、どのように仕事を探せばよいのか、わからない人も多いのではないでしょうか。そのような時にオススメしたいのが、職人とイベント業界をつなぐマッチングアプリの「職人BASE」です。

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*参考 職人BASE

 

まとめ|資格取得でDTPオペレーター転職を成功させよう!

 

DTPオペレーターとして、キャリアアップのために転職することは、よい選択肢のひとつです。ただし、求人が多いとは言えない業種なので、準備をせずに安易に転職すると失敗してしまい、年収が下がったり職場環境が悪くなったりしかねません。

転職を成功させるためには、本記事で紹介した資格を取得するなどして技術力を磨き、即戦力として働く準備が必要です。確かな技術力を身につければ市場価値が高まり、より条件のいい職場に転職できることでしょう。

この記事を編集した人

職人BASE ライター

職人BASE 編集部

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