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サイン加工の仕事への転職|仕事内容や役立つ資格を解説!

サイン加工は、いわゆる「看板」を作成する仕事です。サインは宣伝広告や情報伝達のツールとして重要な役割をはたします。手先が器用で、幼い頃からモノづくりが好きだった人の中には、サイン加工に興味がある人もいるのではないでしょうか。

本記事では、サイン加工の仕事内容や年収、取得すると役立つ資格に至るまで詳しく解説します。異業種からの転職や同業種からのキャリアアップ転職を検討している人は、参考にしてみてください。

 

サインとは

 

サインとは「看板」のことで、宣伝や広告目的で設置されるものです。サインには主に次の7種類に分けられます。

  • 名称サイン(会社名や店名を表示)
  • 記名サイン(トイレや非常口など施設内の場所の名称を表示)
  • 案内サイン(フロアなど施設内の場所や周辺地図などの情報を表示)
  • 誘導サイン(目的地への誘導を表示)
  • 説明サイン(施設の利用案内や地域情報の説明などを表示)
  • 注意サイン(禁止事項や注意喚起などを表示)
  • 演出サイン(企業などの宣伝を主な目的とした表示)

伝えるべき情報を組み込みながら、魅力的なデザインのサインを制作し設置することで、宣伝効果を最大限に引き出せます。

一度設置すると宣伝を継続するための費用や労力を抑えつつ、一定の宣伝効果が持続的に見込めるため、コストパフォーマンスに優れたマーケティングツールといえるでしょう。

 

サイン加工の仕事内容

 

サイン加工の仕事は、請け負う依頼によってその大きさや形態はさまざまで、作業の内容も異なります。詳細も就職する会社によリますが、大まかに共通する仕事内容は下記の通りです。

  • クライアントとの打ち合わせにより、設置場所や設置目的、サイン形態などの意向を確認する
  • 設置場所の状況を調べ、サイン形態を決めて複数のデザインを作成してクライアントに提案する
  • 決定したデザインについて、大きさや形状が屋外広告物条例や建築基準法の規制に違反しないように注意して、設計図を作成する
  • 設計図に従って絵や文字を描いたり、粘着シートをカッティングしたり、印刷したりして看板を制作する
  • デザインしたものをコンピュータカッティングし、看板板に貼り付けをする
  • 工事の案内板などの場合は、レイアウトを作成して鉄板に印刷する
  • サインを装飾するための電飾や関連装置を設置する
  • 光源を内蔵したプラスチックサインやLEDを使ったサインを制作する

 

サイン加工の仕事の平均年収は?

 

厚生労働省の職業情報サイト「jobtag」のデータによると、看板制作の職業に就く人の全国平均年収は461.8万円です。

年齢別の年収の推移をみると、就職してからゆるやかに昇給し、50代前半では最高額で576.71万円となっています。なお、平均年齢は40.6歳、労働時間は平均で163時間です。

*参考 厚生労働省 職業情報サイト「jobtag」

 

サイン業界へは未経験でも転職できる?

 

サイン業界は、とくに学歴や特別な資格は必要とされておらず、転職サイトに掲載された求人情報の中にも未経験者歓迎の案件がよく見受けられます。入職後に実際の作業にあたりながら経験を積み、スキルを磨いていくことができます。

ただし、サインを設置場所へ運搬する際には、車を使用します。「運転免許を保持している人」と求人の資格の欄に記載されていることが多いので、運転免許を持っていない方は取得することが求められるかもしれません。ただし、すべての求人で運転免許が必要とされているわけではありませんので、色々な求人に目を通してみましょう。

サイン業界はまだまだ需要のある業界です。サイン加工職は、これから手に職をつけたい人にはオススメの職業です。

 

サイン加工の仕事に役立つスキル4選

 

サイン加工の仕事は資格がなくても従事できる仕事ですが、実際の業務を進めるにあたって身につけておくと役立つスキルがあります。未経験からサイン加工の仕事に挑戦する際に事前準備として習得しておけば、抵抗なく業務にあたれるでしょう。

 

Photoshop®︎、Illustrator®︎の基本的知識

サイン制作の現場ではコンピュータ化が進んでおり、パソコンを使用したデザイン制作技術が求められています。Photoshop®︎では写真や画像の編集加工、Illustrator®︎ではロゴや図形、テキストなどの作成ができます。それぞれの要素を組み合わせると魅力的なサイン制作が可能です。

入職してからの習得ももちろん可能ではありますが、身につけてから入職すれば、即戦力としてデザインに携わる機会に恵まれやすくなります。

 

CADの操作スキル

CADは、Computer Aided Design(コンピュータ支援設計)の略で、コンピュータ上で製図を行うためのツールです。CADは、それまで紙に書いていた設計図をデジタル化し、設計や製図作業の大幅な効率化を可能にします。

さらに、図面の修正のしやすさや管理、共有など、製図における作業全般がスムーズに行えるため、サイン業界でも導入が進んでいます。転職サイトなどでも、サイン加工の募集にCADの操作ができる人を優遇する求人があるので、スキルを身につけておくと役立つでしょう。

基本的な作図を独学で学ぶ場合は、目安として3か月程度あれば習得可能であるといわれています。CADを学ぶことができるスクールもありますので、あらかじめCADを扱えるようになると、転職してすぐでも作業をスムーズに進めることができます。

 

デザイン力

サイン加工の仕事では、デザイン力が非常に重要な要素です。サインはビジネスやイベントなどさまざまな場面で使用され、その目的を達成するためには人目を引くような魅力的なデザインが必要となるからです。

デザイン力があれば、クライアントの要求やブランドイメージに合わせて的確なデザインを考案し、より創造的で効果的なサインを制作できます。

 

コミュニケーション能力

サイン加工の仕事では、まずクライアントとの打ち合わせによって、要望や目的などを正確に聞き取り、理解する必要があります。クライアントの要望に沿った効果的なサインの制作には、クライアントとの情報共有が求められるからです。

クライアントの要望を正確に聞き出すコミュニケーション能力は、サイン制作後のトラブルを避ける上でも必須の能力といえるでしょう。

 

サイン業界への転職に有利な資格3選

 

サイン業界で経験を積んでスキルアップできれば、さらに条件のよい会社への転職も可能になります。

また、業界内に人脈が広がり、ある程度仕事の受注に目処がつけば、フリーランスや独立開業も夢ではありません。その際に有利になるのが資格の取得です。以下に3つの資格をご紹介しますので、参考にしてみてください。

ただし、数年の実務経験が受験資格になっているものもあるため、現時点で受験できるかどうか詳細を確認しておきましょう。

 

広告美術仕上げ技能士

広告美術仕上げ技能士は国家資格です。デザインについての知識だけではなく、以下のような広告についての幅広い知識が問われます。

  • 広告の制作や加工に関する知識
  • 広告掲載に関する法律や各都道府県の条例についての知識
  • 掲げる広告が景観に与える影響についての知識

学科試験および実技試験があり、以下の通り、それぞれの作業ごとに資格が分かれています。

  • 広告美術仕上げ(広告面ペイント仕上げ作業)
  • 広告美術仕上げ(広告面粘着シート仕上げ作業)

屋外広告やポスター、パネルなどの広告制作にあたって、風雨にさらされて品質が落ちてしまわないように特殊な仕上げ加工を施し、耐久性を持たせる技術を有していることの証明となります。

年度や前期・後期によって、試験が実施されるかどうかが変わりますので、資格を取得しようと検討している方はしっかりと調べるようにしましょう。

*参考 中央職業能力開発協会「実施職種・試験概要(実技試験及び学科試験)」

 

屋外広告士

屋外広告士は、営業所ごとに選任される業務主任者になるための資格要件に該当します。自ら屋外広告業者として広告物の制作や掲出といった業務に携われることに加え、業務主任者としての役割も担える資格です。

具体的には、営業所と地方公共団体の間に立って適切な助言を行うなど、法令の規定の遵守や営業所における業務の適正な実施を確保する役割が期待されています。

また、「屋外広告物条例ガイドライン」において、屋外広告士は「屋外広告物の管理および点検を行うための資格」として明記されており、屋外広告物の制作・施工における専門資格として活躍を期待されています。

資格取得試験は一般社団法人日本屋外広告業団体連合会が実施しており、試験概要は以下の通りです。

受験資格 受験年の10月1日現在で、屋外広告業等に従事した満18歳以上の実務経験が3年以上ある者。(受験可能最低年齢は21歳)

実務経験は施工等に従事した経験を指す。屋外広告工事とは、広告板、広告塔、ネオンサイン、ディスプレイなど、屋外広告物の制作・設置を行う工事をいう。

試験内容

(学科試験は択一式)

  • 【学科試験A】関係法規
  • 【学科試験C】設計・施工
  • 【学科試験B】広告デザイン
  • 【実技試験】屋外広告物の設計またはデザイン
試験科目の一部免除 1級・2級建築士 学科試験Cおよび実技試験
1級・2級建築施工管理技士

1級・2級土木施工管理技士

学科試験C
合格基準 学科受験科目の合計点、実技得点それぞれ60%以上の得点。ただし、得点率40%以下の科目がひとつでもあれば、合計点に関わらず不合格とする。

*参考 一般社団法人日本屋外広告業団体連合会「屋外広告士試験」

 

電気工事士

電飾看板などは、「電気工事士」の資格を取得していなければ業務に従事できない場合もあります。サイン加工の仕事で幅広く活躍するためには、電気工事士の資格の取得をしておくことがオススメです。

国家資格ですが受験資格はなく、年齢や性別、学歴や実務経験に関係なく誰でも受験できます。第一種と第二種があり、試験の解答方式は四肢択一方式です。

マークシートに記入(筆記方式)またはパソコンで解答(CBT方式)する学科試験と実技による技能試験との2段階で行われます。技能試験は出題候補問題が事前に公表されているので、対策しやすくなりました。

*参考 一般財団法人電気技術者試験センター

 

イベント業界でサイン加工の求人がある!

 

サイン加工の技術を身につけ実務経験も積んだ人の中には、力試しとして自ら案件を探してみたい人や、フリーランスや独立開業に向けて案件獲得の方法を知りたい人がいるのではないでしょうか。

そのような人には、「職人BASE」を利用したイベント業界での仕事探しがオススメです。

職人BASEは、イベント業界に特化した、職人と仕事をつなぐマッチングアプリです。コロナ禍明けでイベント業界には以前のような活気が戻り、イベント関連の業種に需要が高まっているので、サイン加工の仕事の案件も探せます。

アプリをダウンロードしなくてもLINEに無料登録するだけで、求人情報がスマホで簡単に見られます。スキマ時間で手軽に、自分に合った案件探しをしてみてはいかがでしょうか。

*参考 職人BASE

 

まとめ|スキルを身につけてサイン業界へ転職してみよう!

 

身につけた知識や技術を持って業務にあたれば、新しい職場で即戦力として活躍するのも難しくはありません。しかし、転職活動の際にその知識と技術の証明が難しいことが難点です。

努力して身につけた知識と技術を証明するためには、やはり資格を取得し提示することが最善の方法でしょう。

サイン業界は、需要の安定性やデジタル技術の進化により、将来性が高いと考えられます。スキルアップと資格取得で転職準備をととのえたら、より条件のよい職場に転職してみましょう。

この記事を編集した人

職人BASE ライター

職人BASE 編集部

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