依頼を受け、物を安全に移動させる運搬業。運転が好きな人や、物を積み下ろしする体力や腕力に自信のある人は、その道への転職を考える方も多いでしょう。しかし、転職する場合に資格は必要かどうかは多くの人が気になる疑問です。
そこで本記事では、運搬業への転職に必要な資格はあるのか、また具体的な仕事内容や年収などを解説します。記事の最後にはオススメの求人サイトもご紹介します。ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
目次
運搬業とは
転職活動をする前に、運搬業に関する知識をつけることが大切です。まずは以下4つの点について解説していきます。
- 運搬業の仕事内容
- 運搬業への転職に必要な資格
- 運搬業と運送業の違い
- 運搬業の年収
運搬業の仕事内容
運搬業は、特定の場所から別の場所へ物を移動させることが主な業務です。具体的な作業としては、工場で製造された製品を倉庫や店舗に配送したり、建設現場に資材を届けたりすることなどです。
ただ荷物を運ぶだけでなく、荷物の積み下ろしや運搬中の安全管理も業務の一環です。運搬する物品は一般的な小包や大型の機械、建設資材など多岐にわたるので、それぞれに合った方法で運搬しなければなりません。
運搬業は物流の一環として重要な役割を果たしており、迅速かつ確実に物品を届けることが求められる仕事です。
運搬業への転職に必要な資格
運搬業に転職するには資格が必要な場合が多いです。補助でない限り、トラックなどの運転が必須です。そのため、資格として「普通自動車運転免許」や「中型自動車運転免許」、「大型自動車運転免許」などが必要となります。
しかし、金銭や時間の関係上、資格をとりにいくのが難しい方もいるでしょう。その場合、補助として仕事をしながら免許取得のサポートを導入している企業を探しましょう。求人数は限られますが、そのような企業を探すこともひとつの手です。
運搬業と運送業の違い
運搬業と運送業は似ているため混同されやすい業種ですが、実は明確な違いがあります。
運搬業は特定の場所同士で物品を移動させることを指し、工場から建設現場に資材を運ぶなど、物品を届ける目的地が明確となっています。
一方、運送業は距離や場所に関係なく荷物を運ぶことを意味します。運搬業は特定のルートや場所に限られますが、運送業には多様な目的地に荷物を届ける業務が含まれます。広義では運搬も運送の一部ですが、目的地の固定性が運搬業の特徴です。
*参考 「運搬」と「運送」の違いは何?
運搬業の年収
運搬業だけの具体的な年収データはありませんが、運送業界全体の平均年収は300万円~450万円ほどといわれています。
運送業界では多くの方がドライバーとして勤務しますが、ドライバーは出勤日数が多かったり拘束時間が長かったりするため、時給換算で考えると収入は低水準になる場合が多いです。
ドライバーの拘束時間は1日あたり13時間前後で、長距離ドライバーでは16時間に及ぶこともあります。大手の運送会社で勤務する場合は、平均年収よりも稼げるケースもありますが、運送業界全体としては稼ぎにくい業種であるといえます。
転職に有利!運搬業に向いている人の特徴
運搬業への転職を有利にするために、向いている人の特徴を知っておくこともひとつの手です。ここでは、運搬業に向いている人の特徴を4つ挙げ、詳しく解説します。
- 運転が苦にならない
- 体力や腕力に自信がある
- 単純作業が好き
- 中型や大型自動車免許の資格を持っている
運転が苦にならない
運搬業に向いている人の特徴のひとつに、長時間の運転が苦にならない人が挙げられます。
運搬業者の勤務時間は1日あたり13時間前後で、場合によっては16時間に及ぶこともあります。長時間にわたる運転や移動が主要な業務となるため、運転を苦にしない人でなければ続けるのは難しいといえるでしょう。
長距離の運搬業務では、片道300km以上の移動もあり、昼夜問わず運転することが求められます。これらの点を楽しめるのが、運搬業に向いている人の特徴です。
体力や腕力に自信がある
運搬業は、運転だけでなく荷物の積み下ろしも業務の一環です。ですので、体力や腕力に自信があることも向いている人の特徴として挙げられます。
大型トラックではフォークリフトを使うことも多いですが、小型や中型トラックでの配達は、手作業での荷物の積み下ろし業務も多くあります。そのため、体力や腕力に自信がある人は、こうした業務もスムーズにこなせるでしょう。
単純作業が好き
運搬業に向いている人の特徴として、単純作業や一人での時間を楽しめることも挙げられます。
運搬業の主な仕事は運転と荷物の積み下ろしで、これらは繰り返し行う単純作業です。飽きずに集中して丁寧に作業を続けられる人が適しています。
一方で、単純作業に飽きやすい人や集中力が続かない人は、仕事の内容に飽きてしまったり、運転中に集中力を欠いてしまったりと少々不向きだといえます。
また、運搬業では一人で長時間運転することが多いため、一人の時間が苦にならず、突発的なアクシデントにも冷静に対処できる人が求められます。マイペースに仕事をしたい人は運搬業に適しているといえるでしょう。
中型や大型自動車免許の資格を持っている
すでに中型や大型自動車運転免許を持っている人は、企業が率先して採用したいと考える人材であるため、これら資格は転職の際に有利に働きます。
運搬業は乗用車ではなくトラックを運転することがほとんどです。ですので、教習所でトラックを運転する技術を学び、実技に合格して免許を所持している人は、運搬業の転職に向いているといえます。
未経験で運搬業に転職成功するためのポイント
未経験で運搬業に転職することは簡単とはいえません。ですが、転職を成功するためのポイントをつかんでおけば、転職を有利に運び、成功に近づけるでしょう。
ここで、転職を成功させるためのポイントとして以下の3点に着目し、それぞれ詳しく解説します。
- 体力に自信があることをアピールする
- 仕事内容について事前に調査する
- 運搬業に必要な資格を取得する
体力に自信があることをアピールする
運搬業は運転技術だけではなく、荷物の積み下ろしや長時間の運転に耐えられる体力も必要になります。ですので、体力に自信があることをアピールすることは、転職成功のひとつのポイントだといえます。
たとえば、学生時代にスポーツにとりくんでいた、もしくは現在スポーツをしているなど、体力が人並み以上にあることがわかるようアピールするとよいでしょう。
仕事内容について事前に調査する
運搬業に転職を考える際には、仕事内容を事前に詳しく調査しておくことが大切なポイントです。
運搬業には、単なるトラックの運転だけでなく、荷物の積み込みや積み下ろしなどの作業も含まれます。荷物の重さや大きさ、量によって作業の負担は大きく異なります。
たとえば、スーパーへのルート配送では、荷物を店内に運び込み、棚に陳列する作業が含まれることがあります。また、宅配便では新規顧客の開拓を行うこともあります。
これらの具体的な業務内容を理解しておくことで、実際の業務に対する準備ができていることをアピールできるでしょう。
運搬業に必要な資格を取得する
転職成功のポイントとして、先に必要な資格を取得しておくことも挙げられます。どのような資格を取得するべきかはこの後詳しく記載しますが、運転が主な仕事になるため、やはり中型、もしくは大型自動車運転免許を取得しておくとよいでしょう。
先に必要資格を取得した上で運搬業への思いを面接で話すことで、より熱意が伝わりやすく転職成功への確率は上がります。
運搬業への転職で取得するべき資格5選
ここで、転職前に事前に取得しておくとよい資格をご紹介します。ご紹介する資格は以下の5点です。
- 普通自動車運転免許
- 中型自動車運転免許
- 大型自動車運転免許
- 玉掛け作業者
- フォークリフト免許
普通自動車運転免許
普通自動車運転免許は、運搬業に必要不可欠な基本的な資格です。18歳以上で教習所での教習・試験を受けることで取得できます。
現在の普通自動車免許では、車両総重量が3.5トン未満の車両を運転可能です。これにより、小型トラックのドライバーとして働くことができます。
ですが、運搬業の場合それ以上のトラックに乗ることが多いため、中型自動車運転免許以上を取得しておくのがオススメです。
中型自動車運転免許
中型自動車運転免許は、通称「4トン車」を運転するために必要な資格です。この免許を取得すると、車両総重量が11トン未満のトラックを運転できるようになります。
中型自動車運転免許は、「20歳以上で、普通自動車免許、もしくは大型特殊免許取得後2年以上経過している」と受験可能です。中型免許を持っていると、選べる運送会社の幅も広まり、需要も高まります。
大型自動車運転免許
大型自動車運転免許は、広範なトラック運転を可能にする資格です。この免許を持つと、車両総重量や積載量に制限がなくなり、運送会社から非常に重宝されます。
大型自動車運転免許は「21歳以上で、普通自動車運転免許、もしくは大型特殊免許取得後3年以上経過している」と受験可能です。大型免許を取得すると、給与が大幅に増加し、幅広い業務に対応できるようになります。
玉掛け作業者
玉掛け作業者の資格は、荷物の積み降ろし作業においてクレーンを使用する際に必要となる資格です。
18歳以上であれば取得可能で、建設業や鉄鋼業などでの荷役作業に必須であり、運搬業務における需要が高い資格です。取得も比較的容易で、他業種でも役立つため、取得しておくと多方面で活用できます。
*参考 知っていますか?玉掛けの資格
フォークリフト免許
フォークリフト運転技能者の資格は、運搬業で頻繁に使用されるフォークリフトを操作するために必要です。受験資格は18歳以上で、試験も比較的簡単です。
運搬業務ではパレットを使った荷物の積み降ろしが多く、この資格を持っていることで業務の効率が大幅に向上します。運搬業だけでなく、倉庫業などでも役立つ資格です。
運搬業に転職する際にオススメの求人サイト4選
ここで、運搬業に転職する際にオススメの求人サイトを4点ご紹介します。それぞれ強みや特徴が違うため、転職する際の参考にしてください。
Indeed
Indeedは、幅広い業界からの求人を集める最大級の求人検索エンジンサイトです。運送業界の求人も豊富で、運搬業務の求人も多くみつかります。
キーワード検索で地域や職種を指定して求人を探せて、希望の条件を設定すれば新しい求人が登録されると通知を受け取ることも可能です。働きながら運搬職への転職を考える人にとって、非常に効率的で便利なサービスです。
*参考 Indeed
doda
dodaは、経験者や即戦力となる中途の人材採用に特化した転職サイトです。運搬業のような特定の専門職に対しても幅広く求人情報を提供しています。
dodaの特徴は、「ダイレクト・ソーシングサービス」により企業から直接スカウトメールを受け取れる点です。自分で求人を探すだけでなく、企業からのアプローチも受けられます。
さらに、求職者のリアルな声を集めた口コミ情報も豊富で、実際の職場環境や企業文化を事前に知れるのも大きな特徴です。
*参考 doda
求人ボックス
求人ボックスは、カカクコムが運営する求人検索エンジンです。Web上のさまざまな求人情報を一か所で閲覧できるため、運搬業を含む多様な仕事を簡単に探せます。
扱いやすいシンプルなデザインと高い機能性を備え、求職者が効率的に求人を検索できるよう工夫されています。「こだわり条件検索」機能を使えば、詳細な条件で求人を絞り込むことが可能です。
地域や特定の条件を入力するだけで広範囲に求人を探せるため、転職活動に役立つサイトのひとつです。
*参考 求人ボックス
ドラEVER
ドラEVERは、ドライバー求人に特化した転職サイトです。一般的な要項に加え、車の形状や輸送品目など、ドライバーが知りたい情報を網羅しています。
給料順や自宅からの距離順に求人を並べ替えられるためより自分の希望に合った求人を探せるだけでなく、詳細ページでは転職先の社長やスタッフの動画もみられるため、転職後のイメージを具体的に描けるでしょう。
*参考 ドラEVER
運搬業に転職後はイベント業界での求人も検討しよう
運搬業はさまざまな業界で活躍しています。たとえば、生肉や生魚、野菜などの運搬や宅配荷物の運搬、引越し荷物の運搬など多種多様です。そのようないくつもの業界で活躍する運搬業ですが、展示会やイベント業界でも活躍できることをご存知でしょうか。
展示会やイベントでは、会場で使用する機材や道具、家具や照明器具などさまざまものを運搬します。傷つけないよう安全に運ばなければならないため、一般の人ではなく運搬技術のある職人を求めているのです。
もしも運搬業に勤めている、もしくは今後転職した後にさらに自分に合った条件の案件や求人を探したい場合は、無料で案件や求人を探せる「職人BASE」を活用してください。
職人BASEはより自分に合った条件の案件や求人を求める職人と、スキルのある職人を求める企業をマッチングさせるプラットフォームです。
豊富な検索項目で絞り込み自分で探せることはもちろん、企業側からのスカウトが届いたり、LINE登録で最新情報が通知されたりするため、現在の仕事を続けながらでも探せます。
無料で登録できるので、求人や案件を探したい方は、職人BASEをはじめてみてはいかがでしょうか。
*参考 職人BASE
まとめ|運搬業に資格は必要!転職のために取得しよう
運搬業の業務内容や資格の必要性、転職を有利に進めるためのポイントや資格について解説しました。
運搬業はその仕事柄、自動車やトラックを運転するための資格が必須です。ですが、更新し続ければ生涯所有できる資格なため、取得しておいて損になることはないでしょう。
転職のために資格を取得し、今回の記事を参考に運搬業で新たなキャリアを築きましょう。