PAエンジニアとして働いているものの、現場経験を重ねても給料が上がらず、このまま同じ職場で働くか悩む方も多いのではないでしょうか。
実は、PAエンジニアの年収は勤務先や働き方によって大きく変わり、同じスキルでも環境次第で100万円以上の差がついてしまいます。
この記事では、PAエンジニアの年収相場、収入を上げるための具体的な方法を解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
PAエンジニアの仕事内容

PAエンジニアは、コンサートやイベント、テレビ収録などで音響を担当する専門職です。主な業務としては、
- 音響機材の搬入・設置
- ミキサーやアンプの操作
- 音質調整
- 本番中のオペレーション
- 撤収とメンテナンス
などが挙げられます。しかし、これらの業務に求められるスキルは現場によって異なります。
小規模なライブハウスなら限られた機材で音をつくる技術が求められます。一方で、大規模フェスやアリーナツアーではシステム設計や複数スタッフの統括力が求められています。加えて、リハーサルで出演者の要望を聞き取り、本番で最適な音を届けるコミュニケーション能力も重要です。
技術力だけでなく、現場での判断力やトラブル対応力も評価されます。機材トラブルへの冷静な対処、限られた時間での音づくりが、プロとしての実力を左右します。
PAエンジニアの平均年収

PAエンジニアの平均年収は350万円~480万円程度です。ただし、経験年数や担当業務、雇用形態によって幅があり、平均値だけで判断するのは難しいのが実情です。
PAエンジニアの平均年収を分類すると以下の通りです。
- 未経験〜3年目:280万円〜380万円
- 中堅層(4年目〜10年目):380万円〜550万円
- チーフクラス(10年以上):550万円〜800万円
- フリーランス:450万円〜1,200万円以上
会社員の場合、月給は22万円前後からスタートし、経験を積むことで段階的に上昇します。ボーナスや各種手当を含めた年収ベースで考えると、初年度は実質的に280万円~330万円程度になることが多いです。
未経験から3年目までの年収
未経験で入社した場合、最初の年収は280万円~330万円が相場です。月給換算で20万円~24万円程度に、残業代や現場手当が加わります。
この時期は現場での実務経験を積む期間で、機材の名称や役割を覚え、基本的なセッティング作業をこなせるようになることが最優先課題です。先輩エンジニアの指示を受けながら、ケーブル配線やマイクスタンドの設置といった基礎作業を繰り返し、現場の流れを体で覚えていく段階といえます。
3年目になると年収は330万円~380万円程度になります。基本的な業務を一人でこなせるようになり、小規模な案件では主担当を任されることも増えてきます。ミキサー操作にも慣れ、リハーサルでの音づくりを任される機会が出てくるでしょう。先輩の指示なしで小規模現場を回せるようになれば、評価も給料も上がりやすくなります。
中堅からチーフクラスの年収
4年目以降の中堅層になると、年収は380万円~550万円と言われています。複数の現場を担当し、後輩への指導も任されるようになります。
この段階では、現場ごとの条件や要求に応じた柔軟な対応力が必要です。アーティストの音楽性を理解し、最適な音響プランを提案できるかが評価のポイント。加えて、スタッフ間の調整やトラブル発生時のリカバリー能力も重視されます。
10年以上の経験を持つチーフクラスでは、年収550万円~800万円に達します。大規模イベントのシステム設計やチーム統括を担当し、高度な技術力とマネジメント能力が評価されます。
ただし、このクラスになるには単なる技術力だけでなく、現場全体を俯瞰する視点やプロジェクト管理能力、さらには最新のデジタルネットワーク(Dante等)への理解も必要です。
*参考 PAはいくら稼げる? 音響オペレーターの年収相場とキャリアアップの道
オペレーターとシステム担当で収入に差が出る
PA業務は大きく分けて、オペレーター業務とシステム設計・構築業務があります。この違いが収入に直接影響します。
オペレーター中心の業務では、年収350万円から500万円程度が相場になります。現場でのミキサー操作や音質調整が主な仕事で、技術力は必要なものの、給与の上限は比較的限られる傾向にあります。リハーサルから本番までの音響オペレーションを担当し、アーティストの要望に応える役割を担いますが、システム設計までは関与しないケースが大半です。
一方、システム設計や構築まで担当できると、年収550万円以上を目指せます。音響システム全体の設計、機材選定、配線図作成、電源容量の計算といった専門知識が求められ、その分評価も高くなります。大規模イベントでは、会場の音響特性を考慮したスピーカー配置やアンプ選定が必要になり、こうした業務を担当できる人材は非常に重宝されます。
収入を上げたいなら、オペレーション技術だけでなくシステム全体を理解する力を身につけることが欠かせません。最新のネットワークオーディオ技術を学んだり、電気工事士などの関連資格を取得したりして、さらなるキャリアアップを目指しましょう。
フリーランスと会社員どちらが稼げる?

PAエンジニアには会社員とフリーランスという二つの働き方があります。それぞれメリットとデメリットがあり、収入面でも違いが出ます。くわしく見ていきましょう。
結論:年収額だけ見ればフリーランス
純粋な年収額で比較すると、フリーランスのほうが高収入を得られる可能性が高いと言われています。実力と人脈があれば、年収600万円から1,200万円以上も可能です。
案件ごとの単価が高く、繁忙期には月収100万円を超えることもあります。大手アーティストのツアーや大規模フェスティバルに継続的に関われれば、安定した高収入を維持できます。ドームや全国ツアーのメインシステムエンジニアとして1か月拘束された場合、150万円以上の収入になることも珍しくありません。
ただし、このレベルに到達するには相応の実績と信頼関係が必要です。現場でのパフォーマンスはもちろん、突発的なトラブルへの対応力や、アーティストや制作サイドとの高度なコミュニケーション能力が評価され、指名での仕事につながります。
ただし、会社員は安定した収入と福利厚生がある
フリーランスは収入の変動が大きく、案件がない月はゼロということもありえます。また、社会保険料や税金を自分で管理する必要があり、実質的な手取りは想定より少なくなることがあります。
一方で会社員の場合では、月々の給与は安定しており、社会保険や厚生年金、退職金制度などの福利厚生があります。ボーナスや各種手当も含めると、年収以上の価値があると言えるでしょう。病気やケガで働けなくなったときの保障もあり、長期的なキャリアを考えるうえでも安心です。
どちらを選ぶかは、収入の安定性を重視するか、高収入の可能性を取るかという価値観次第です。フリーランスで成功するには、営業力や人脈づくりも欠かせません。会社員として経験を積み、人脈を広げてからフリーランスに転向する選択肢もあります。実際、この流れで独立する技術者は多いです。
転職して収入と働き方を見直す

現在の職場で給料が上がらない、スキルアップの機会が少ないと感じているなら、転職を検討してみましょう。PAエンジニアの需要は高く、実務経験があれば転職先の選択肢は広がります。
PAエンジニアの収入は働き方もそうですが、どこに勤めるのかも重要です。ここでは、
- 給料の高い職場を見分けるポイント
- PAのスキルを活かせるイベント業界での転職
について、解説します。
給料の高い職場を見分けるポイント
同じPAエンジニアでも、勤務先によって給与水準は大きく異なります。年収を上げたいなら、求人を見る視点を変える必要があります。給与水準の高い職場を見つけるには、以下のポイントに注目してみてください。
まずは、取引先や実績を確認します。大手アーティストのツアーや全国規模のフェスティバルに関わっている企業は、案件単価が高く、給与水準も上がりやすいです。企業のウェブサイトや求人票に記載されている実績をチェックし、どのような案件を扱っているかを把握します。
次に、どのようなポジションが用意されているかです。チーフエンジニアといったポジションが用意されていれば、今後のキャリアパスも見えやすく、スキルアップに応じて給与も上がりやすい傾向にあります。逆に、オペレーター職のみで昇進の道が見えない企業は、長く働いても給与はなかなか伸びません。
さらに、福利厚生や教育制度の充実度も重要です。資格取得支援やメーカー研修への参加制度がある企業は、技術者の成長を重視しており、結果的に給与にも反映されやすいです。
PAのスキルを活かせるイベント業界での転職
近年のイベントでは、単なる「音を出す担当」ではなく、空間全体の演出を設計できるPAエンジニアへのニーズが急速に高まっています。
ライブ・フェス・展示会・企業カンファレンス・eスポーツ大会・配信イベントなど、現場はどんどん拡大しています。そういった中で、音響トラブルが許されないシビアな環境ほど、経験豊富な技術者の価値は高く評価されています。
そうした背景から、イベント業界に特化して「技術者目線」で転職支援を行っているサービスが職人BASE です。
業界を正しく理解した上で求人を紹介してくれるため、単なる人材紹介とは異なり、経験値や現場力を適切に評価してもらいやすい点が特徴です。プロフィールを充実させることで企業側からスカウトが届く仕組みもあり、自分の市場価値を客観的に把握できるのも大きなメリットです。
加えて、業界事情を理解した専任スタッフがマッチングや条件調整をサポートしてくれるため、ミスマッチの少ない転職活動が実現します。自分のキャリアを見直したいという思いが少しでもあるなら、選択肢を広げる一歩として検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ|PAエンジニアで年収を伸ばすなら環境改善を検討しよう

PAエンジニアの年収は、勤務先や働き方によって大きく変わります。オペレーション業務だけでなくシステム設計まで担当できるスキルを身につけることで、給与水準を上げられます。フリーランスは高収入の可能性がある一方で、会社員は安定した収入と福利厚生が魅力です。
年収アップを目指すなら、この記事の内容をもとに、求人の見方を変え、大規模案件を扱う企業やキャリアパスが明確な職場を選ぶようにしましょう。現在の職場で成長が見込めないなら、転職を検討する価値があるということです。自分のスキルを正当に評価してくれる環境で働くことが、技術を磨き続けるモチベーションになります。
次のキャリアステップを考えるときは、今回紹介したポイントを参考にしながら、自分に合った働き方を見つけてください。