職人BASE

人手不足の対策とは?イベント業界で人材を確保する方法と解決策を解説

イベント制作会社や音響・照明・映像などの技術会社では、案件が集中する時期に必要なスタッフを確保できず、現場運営に支障が出る場合があります。特に専門技術者の不足は、新規案件の受注機会を逃すだけでなく、既存スタッフの負担増加や現場の品質低下にもつながりかねません。

人手不足を解消するには、採用活動の強化に加え、社内スタッフの育成や業務効率化、外部人材の活用を組み合わせることが重要です。自社の課題に応じて対策を選ぶことで、安定した運営体制の構築につながります。

当記事では、イベント業界で人手不足が起きる原因や具体的な対策、自社に合った人材確保の方法を解説します。

 

イベント業界で人手不足が起きる主な原因

イベント業界で人手不足が起きる背景には、専門技術者の確保の難しさや案件の集中、不規則な勤務形態などがあります。特に音響・照明・映像などの技術職では、人数を確保するだけでなく、現場に必要な経験やスキルを持つ人材を配置しなければなりません。

効果的な対策を検討するために、まずは業界特有の人手不足の原因を整理しましょう。

 

専門スキルを持つ経験者の確保が難しい

イベント業界では、音響・照明・映像などの専門スキルを持つ経験者の確保が難しく、人手不足の原因となっています。例えば、PAエンジニアには音響機材の調整力、照明オペレーターには照明卓の操作技術、映像技術者には映像の切り替えや送出の経験が必要です。

日本イベント産業振興協会(JACE)も、コロナ禍における熟練スタッフの離職を人手不足の背景として挙げています。求人への応募があっても、必要な技能を備えた人材を採用できるとは限らず、即戦力の確保が難しい場合もあります。経験者採用だけに頼らず、若手や未経験者を段階的に育成する体制づくりも重要となるでしょう。

出典:日本イベント産業振興協会|2024年度事業計画(PDF)

 

イベントの繁忙期に必要な人員が集中する

イベント業界では、案件が同じ時期に集中することで、一時的な人員不足が発生しやすくなります。展示会や企業式典、コンサートなどが重なると、複数の現場で音響・照明・映像スタッフを同時に確保しなければなりません。

また、設営・リハーサル・本番・撤去では、工程ごとに必要な人数や担当業務が異なります。社内スタッフだけでは対応しきれない場合もありますが、繁忙期に合わせて正社員を増員すると、閑散期の人件費負担が増える可能性があります。案件や工程ごとの必要人数を把握し、外部協力会社も活用できる柔軟な人員体制が求められます。

 

長時間勤務や不規則な働き方が負担になる

イベント業界では、開催スケジュールに合わせた長時間勤務や不規則な働き方が、スタッフの負担となる場合があります。早朝・夜間・休日の勤務に加え、機材の搬入や設営、撤去では身体的な負担も少なくありません。

特に照明業務では、重量のある機材の運搬や高所での調整作業なども発生します。人員不足によって一部のスタッフに業務が集中すると、疲労の蓄積や離職につながるおそれがあるでしょう。人材の定着を図るには、適切な人員配置や勤務計画の見直しに加え、現場終了後の休息や休日を確保できる労働環境の整備が重要です。

 

人手不足がイベント会社に与える影響

イベント業界で人手不足が続くと、既存スタッフの負担が増えるだけでなく、売上やイベント運営の品質にも悪影響が及びます。特に注意したい影響は、以下の3つです。

  • 受注機会の損失:必要な専門技術者を確保できず、新規案件の受注を断らざるを得ない
  • 従業員の負担増加:残業や休日出勤が増え、疲労の蓄積や離職につながる
  • 運営品質の低下:機材の準備や動作確認が不十分になり、現場でのミスやトラブルにつながるおそれがある

特に複数の案件が重なる時期は、限られたスタッフに業務が集中しやすくなります。十分な休息を確保できない状況が続けば、従業員の定着にも悪影響を及ぼしかねません。

売上や顧客満足度を維持し、安定した運営体制を構築するためにも、早期に人手不足対策を進めることが重要です。

 

イベント業界で実践できる人手不足対策5選

イベント業界の人手不足を解消するには、採用活動の強化に加え、既存スタッフの育成や業務効率化、外部人材の活用などを組み合わせることが重要です。例えば、繁忙期の一時的な人員不足と、専門技術者が慢性的に不足している状況では、優先すべき取り組みが異なります。

ここでは、イベント会社が自社の課題に応じて実践できる5つの対策を紹介します。

 

採用条件や募集方法を見直す

人手不足を解消するには、採用条件を見直し、必要なスキルを持つ人材に求人情報を届けることが重要です。求める経験や技能を厳しく設定しすぎると、採用対象が狭まり、応募数の減少につながる可能性があります。

例えば、即戦力となる照明オペレーターを採用する場合は、条件を以下のように整理できます。

  • 必須条件:担当する照明卓の操作経験、イベント現場での実務経験
  • 歓迎条件:複数メーカーの照明卓への対応経験、照明プログラムの作成経験

未経験者も募集対象とする場合は、必須条件を緩和し、入社後の教育体制を整える方法もあります。一般求人媒体に加え、業界特化型の採用サービスや専門学校との連携も有効な選択肢です。また、給与や休日、教育体制、キャリア形成の機会も見直し、求職者との接点を広げましょう。

 

社内スタッフの育成と多能工化を進める

中長期的な人手不足対策には、社内スタッフの育成と多能工化が有効です。多能工化とは、一人のスタッフが複数の業務に対応できるよう、担当範囲を広げる取り組みを指します。

例えば、音響機材の準備を担当するスタッフが、設営補助や機材管理も担えるようになれば、案件ごとの人員配置を調整しやすくなります。若手スタッフの育成では、以下の手順で段階的に担当業務を広げましょう。

  1. 見学:ベテランの作業を観察し、業務の流れを理解する
  2. 補助作業:機材準備や設営補助などを経験する
  3. 実践:指導担当者の監督下で、習得した技能を活用する
  4. 習熟確認:作業の正確性や安全性を確認し、担当範囲を広げる

また、手順書を整備すれば、ベテランの知識や技術を共有しやすくなります。ただし、高所作業や専門機材の高度な操作は安全性を優先し、必要な教育と技能確認を行うことが重要です。

 

業務効率化やデジタルツールを活用する

限られた人員でイベント運営を円滑に進めるには、業務の見直しとデジタルツールの活用が有効です。特に複数案件を並行して進める会社では、スタッフの配置や機材管理の情報共有が欠かせません。

例えば、以下の業務をデジタル化することで、情報共有や管理作業の効率化が期待できます。

  • 人員配置管理:スタッフの稼働予定や担当現場を共有する
  • 案件管理:設営・本番・撤去のスケジュールを一元管理する
  • 機材管理:機材の予約状況や貸出・返却状況を把握する

導入前には業務の流れを整理し、不要な確認作業や二重入力を減らすことが大切です。また、更新担当者や入力ルールを決め、限られた人員を有効活用できる仕組みを整えましょう。

 

働きやすい環境を整えて離職を防ぐ

人手不足の解消には、新規採用だけでなく、既存スタッフの定着を図ることも重要です。離職が続く職場では、人員を補充しても慢性的な人手不足から抜け出しにくくなります。

イベント業界では、早朝・夜間・休日の勤務が発生する場合があります。スタッフ別の勤務実績を把握し、長時間勤務や休日出勤が一部の社員に偏らないよう調整しましょう。

また、現場終了後の休息を確保し、経験や技能に応じた評価制度を整えることも大切です。定期的な面談で業務負担や不満を把握し、勤務環境や育成体制の改善につなげることで、人材の定着が期待できます。

 

外部技術者や協力会社を活用する

繁忙期や特定案件で人員が不足する場合は、外部技術者や協力会社の活用が有効です。正社員の採用だけに依存せず、案件の規模や内容に応じて必要な人材を確保しやすくなります。

例えば、PAエンジニアや照明オペレーター、映像技術者などの専門業務を外部へ依頼する方法があります。設営・撤去を協力会社に任せれば、社内スタッフが専門業務に集中しやすくなるでしょう。

依頼時は、実務経験や使用機材への対応可否、報酬、拘束時間などを確認することが大切です。また、派遣と請負では指揮命令関係が異なるため、契約形態に応じた役割分担や安全管理の確認も欠かせません。

 

人手不足対策として外部人材を活用する方法

外部人材の活用は、イベント案件が集中する時期や、社内に必要な専門技術者が不足している場合に有効な選択肢です。ただし、音響・照明・映像などの業務では、職種が同じでも担当工程や使用機材によって求められるスキルが異なるため、依頼条件を明確にする必要があります。

ここでは、外部人材を確保するための準備と、マッチングサービスを活用する方法を解説します。

 

必要な職種・スキル・稼働条件を明確にする

外部人材を確保する際は、担当業務や必要なスキル、稼働条件を明確にすることが重要です。職種が同じでも、使用機材や担当工程によって求められる経験が異なります。

まずは必要人数や会場、稼働日時を整理し、搬入・設営・リハーサル・本番・撤去までの対応範囲を確認しましょう。職種ごとに確認したい技能・経験の例は、以下のとおりです。

職種 主な担当業務 確認したい技能・経験
音響 音響設備の設置・調整・操作 PA卓の操作経験、同種イベントの担当経験
照明 照明機材の設置・調整・演出 照明卓の操作・プログラミング経験
映像 映像送出・切り替え・配信管理 スイッチャーや配信機材の操作経験
施工・設営 会場設営・造作物の設置・撤去 施工経験、必要な資格・安全手順への理解

また、担当範囲や報酬、交通費、時間延長時の条件も事前にすり合わせる必要があります。業務内容と契約条件を明確にし、依頼後の認識違いを防ぎましょう。

 

人材マッチングサービスで確保ルートを増やす

外部人材の確保には、イベント業界に特化したマッチングサービスの活用も有効です。既存の協力会社や知人からの紹介だけでは、案件が集中する時期に必要な技術者を確保できない場合があります。

例えば、職人BASEでは、音響・照明・映像・施工などの専門人材を探すことが可能です。職種や対応エリア、実務経験、稼働条件などを確認し、案件に適した候補者を検討しましょう。

また、単発の依頼だけでなく、継続的に協力できる人材との関係構築も重要です。依頼後は対応品質や連携のしやすさを確認し、次回以降の人員確保に役立てましょう。契約時には業務範囲や費用、指示系統を明確にすることも欠かせません。

 

自社に合った人手不足対策の選び方

人手不足対策は、必要な人数や専門スキル、不足が発生する時期などを踏まえて選ぶことが重要です。年間を通じて人員が不足している場合は採用や育成、特定の案件や繁忙期に限られる場合は外部人材の活用など、課題に応じた方法を検討する必要があります。

ここでは、人手不足の状況を整理し、費用・即効性・継続性の観点から対策を選ぶポイントを解説します。

 

慢性的な人手不足と一時的な人員不足を区別する

人手不足対策を選ぶ際は、慢性的な人員不足と一時的な不足を区別することが重要です。まずは案件別・工程別の必要人数や配置状況を確認し、不足している職種や期間を把握しましょう。

人手不足の状況に応じた対策と注意点は、以下のとおりです。

人手不足の状況 検討する対策 主な注意点
年間を通じて不足 正社員採用・社内育成 採用・育成期間、固定人件費
特定の専門技能が不足 技能習得・専門人材の活用 習熟期間、実務経験の確認
繁忙期・特定案件で不足 外部技術者・協力会社の活用 稼働日程、報酬、契約条件
業務負担が大きい 業務効率化・デジタル化 導入費用、運用ルールの整備
離職が続いている 労働環境・評価制度の改善 離職原因の把握、継続的な改善

年間を通じて不足する場合は採用や育成、繁忙期に限られる場合は外部人材の活用が選択肢となります。また、業務の重複や離職が原因であれば、増員だけでなく業務改善も必要です。複数の対策を組み合わせ、自社の課題に合った方法を選びましょう。

 

費用・即効性・継続性を比較して優先順位を決める

人手不足対策は、費用・即効性・継続性を比較し、優先順位を決めることが重要です。求人広告費や外注費だけでなく、採用選考や教育、業務調整にかかる時間も含めて判断する必要があります。

例えば、正社員採用は長期的な人員体制の強化に向いていますが、採用や育成には時間がかかります。一方、外部人材の活用は、条件に合う技術者を確保できれば案件単位で対応しやすいものの、報酬や稼働状況によって費用や確保までの期間が異なるでしょう。

短期的には外部人材の活用や配置調整、中長期的には採用・育成や業務効率化を検討する方法が有効です。継続性については、人材の定着状況や協力会社との取引体制も確認しましょう。残業時間や外注費、対応可能な案件数などを指標とし、対策の効果を定期的に見直すことが大切です。

 

イベント業界の人手不足対策なら職人BASEにご相談ください

イベント業界で専門技術者の採用や外部人材の確保にお悩みなら、イベント・ディスプレイ業界に特化した人材採用支援サービス「職人BASE」をご活用ください。

職人BASEでは、音響・照明・映像・イベント施工・企画運営など、幅広い職種の人材確保を支援しています。求める職種やスキル、経験などの条件に応じた人材募集に加え、登録人材への直接スカウトや取引先検索も可能です。既存の求人媒体や協力会社だけでは出会えなかった人材との接点を広げられます。

また、業界事情に詳しい専任担当者が、企業の採用課題や必要な技能を踏まえたマッチングをサポートします。繁忙期の人員不足から専門技術者の継続的な確保まで、人材に関する課題を抱える企業様は、ぜひ職人BASEの法人向けサービスページから資料請求・ご相談ください。

*参考 現場を知るプロが、即戦力をご紹介!イベント業界特化の人材採用支援サービス| 職人BASE

 

まとめ|人手不足対策は採用・業務改善・外部人材活用の組み合わせが重要

イベント業界の人手不足は、専門技術者の確保の難しさや繁忙期の案件集中、不規則な勤務など、複数の要因によって発生します。人員不足が続けば、受注機会の損失や既存スタッフの負担増加につながるおそれがあります。

人手不足を解消するには、採用強化や社内育成、業務効率化、労働環境の改善、外部人材の活用を組み合わせることが重要です。不足する職種や期間を把握し、自社に適した対策を進めましょう。

短期的な人員確保と中長期的な人材育成を並行して進め、案件の規模や内容に応じて柔軟に対応できる体制を整えることが、安定した事業運営につながります。

この記事を編集した人

職人BASE ライター

職人BASE 編集部

職人BASEブログは、職人とイベント業界をつなぐ「職人BASE」が運営する、職人さんの案件獲得や企業様の人事採用に関するコンテンツをお届けするメディアです。

\ 記事をシェアする /

LINEで無料登録

資料