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一人親方として独立するためには?開業に必要な準備や手続きを紹介

一人親方として独立を考えている方には、以下のような悩みを抱えている方が多いかもしれません。

「一人親方になるメリット・デメリットを知りたい」

「一人親方になる時に準備するものがわからない」

「開業届を出す必要はあるのか」

「一人親方は今後どうなるのか」

本記事では、一人親方になるにあたって不安になる点を解消する内容をご紹介します。一人親方で独立を考えている方は、本記事で不安を解消し、準備を整えてから独立をしましょう。

 

一人親方として独立するメリット・デメリット

 

一人親方になって独立しようと検討している方のなかには、メリットやデメリットが知りたいという方も多いでしょう。

本章では、一人親方として独立するメリットやデメリットをご紹介します。一人親方になって独立しようと検討している方は、本章を参考にメリットやデメリットを把握しましょう。

 

メリット

一人親方として独立するメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 上司や従業員がいないので対人関係に悩まされることがない
  • 会社に雇われるより単価が高い
  • 自由な働き方ができる
  • 労災保険に加入できる

一人親方は、上司や従業員がいないため、対人関係に悩むことなく気楽に仕事ができます。ストレスなく働きたい方にとっては魅力的に映ることでしょう。

また、会社で雇われるより単価が高いことが多く、実績や交渉次第で単価を上げることが可能です。決まった労働時間や定年がなく、受ける仕事を選べるため自由な働き方ができます。

さらに、個人事業主の場合は、通常労災保険には加入できませんが、一人親方の場合は特別加入という形で労災保険に入ることが認められています。

重いものを運んだり、高所での作業が発生しやすい一人親方は、怪我のリスクが高い傾向がありますが、労災保険に加入できるため安心して働くことができます。

 

デメリット

一人親方になることを検討する際には、以下のようなデメリットについても把握しておく必要があります。

  • 収入が安定しない
  • 融資やローンの審査に通りにくい
  • 大手企業との直接取引が難しい

一人親方は会社員と異なり、収入が安定しないことが多い傾向にあります。委託切りや怪我によって収入がなくなることがあります。日ごろから貯蓄をしておくことや、労災保険に加入しておくことが大切です。

収入が安定しないことにより、融資やローン審査に通りにくい傾向があります。車両購入などは、独立前に済ませておきましょう。

通常一人親方は、大手企業と直接取引をしている企業の下請けとなります。日ごろから実績を積み、営業活動に力を入れることで、大手企業と直接取引できるチャンスをつかめる可能性があります。

 

一人親方になる前にするべきこととは?

 

一人親方になる前には準備が必要となります。本章では、独立前に準備するべきことを以下の項目に沿ってご紹介します。

  • 初期費用の準備
  • 事業用クレジットカードを作成する
  • 作業車などのローン契約を済ませる
  • 人脈を広げる

独立を検討している方は、本章を参考に準備を行いましょう。

 

初期費用の準備

一人親方として独立する際は、初期費用を準備しておく必要があります。開業時にかかる主な費用は以下の通りです。

  • 運転資金
  • 重機や工具などの購入費用
  • 事務所の契約にかかる費用

多くのケースでは、納品と入金の間にタイムラグが生じます。材料費の支払いは入金前に発生することが多いため、手持ちの資金が尽きる可能性があります。キャッシュフローを悪化させないためにも、十分な運転資金が必要です。

独立し開業する際には、創業支援金や補助金を受けられる可能性があります。自治体独自の支援制度などもあるため、事前に調べておく必要があるでしょう。調べる際には、「補助金ポータル」の利用がオススメです。

*参考 補助金・助成金コラム|補助金ポータル

 

事業用クレジットカードを作成する

事業を進めるうえでクレジットカードを使用する機会が多く、オンラインでの買物やソフトウェア導入の支払いなどで使用できます。

開業後でもクレジットカードを申し込むことは可能ですが、開業したばかりだと実績がなく、収入が安定しないことから、審査の通過が難しくなる傾向があります。

独立前に作ったクレジットカードは、一人親方になってからでも問題なく使用できます。プライベート用とは別に、事業用のクレジットカードがあれば、支出の管理が簡単になります。

 

作業車などのローン契約を済ませる

独立してから作業車をローンで購入しようとしても、審査を通過できないケースが多いため、作業用のローン契約は独立前に済ませましょう。作業車に限らず、ローン契約を行う際は、独立前に行う必要があります。

 

人脈を広げる

独立後に安定して案件を受注できるかどうかは、人脈の豊富さにかかっているといえるでしょう。とくに条件のよい案件や閑散期の依頼は、普段から取引先と良好な関係を築いている一人親方に集まりやすくなります。

異業種交流会などに足を運んで、異なる業種の人たちと積極的に関わることで、今後の案件獲得につながる可能性があります。

 

一人親方になるために必要な手続きを紹介

 

一人親方になるためには、さまざまな手続きが必要となります。本章では、必要な手続きを以下の項目に沿ってご紹介します。

  • 開業届を出す
  • 所得税の青色申告承認申請を出す屋号で口座開設
  • 個人事業開始申告書を提出する
  • 国民健康保険・国民年金への加入
  • 特別労災保険への加入
  • 青色事業専従者給与に関する届出
  • 給与支払事務所等の開設届

順にみていきましょう。

 

開業届を出す

開業届は、事業を開始するために最初に行う手続きです。開業届は事業開始日から1か月以内に提出する必要があります。

開業届を提出することで、一人親方であることが社会的に認められます。開業届は、屋号での口座開設や確定申告時に必要になるので、手続きを忘れないようにしましょう。

 

所得税の青色申告承認申請を出す屋号で口座開設

確定申告には青色申告と白色申告があり、青色申告は白色申告より手続きの手間が多い分、特別控除など節税メリットが多くあります。青色申告は、「事業所得」「不動産所得」「山林所得」のいずれかの所得がある個人事業主のみ申告ができます。

一人親方は事業所得を持つ個人事業主にあたるので、青色申告をして節税を行うことがオススメです。青色申告承認申請書は事業開始日から2か月以内に提出する必要があるため、忘れないように注意しましょう。

 

個人事業開始申告書を提出する

個人事業開始申告書は、事業を開始したことを都道府県に報告するために提出するものです。開業届は国税である所得税に関するものであるため、国税庁に提出します。

個人事業開始申告書は、都道府県税事務所に提出する地方税に関するものです。申請書の書式は都道府県によって異なるもので、事業をはじめる都道府県のホームページから各自申請書をダウンロードしましょう。

 

国民健康保険・国民年金への加入

個人事業主になると、社会保険は国民健康保険になり、厚生年金は国民年金に変わります。健康保険と年金の加入は国民の義務のため、加入申請を忘れないようにしましょう。

国民健康保険、国民年金は退職後14日以内に窓口にて手続きする必要があるので、期間内に手続きを行う必要があります。

14日を過ぎてしまっても加入はできますが、保険料は健康保険資格喪失日からの分を請求されます。余計な費用を支払うことになるので、必ず14日以内に加入しましょう。

 

特別労災保険への加入

個人事業主は労災保険に加入できません。しかし、事業主のなかにも一人親方のように怪我や病気のリスクがあり、「一人親方労災保険特別加入制度」という労災保険の特別加入制度が設けられました。主な補償内容は以下の通りです。

  • 業務や通勤による災害における入院費・治療費の負担がゼロ
  • 休業時は給付基礎日額の80%を補償

仕事関連で怪我や病気をした場合の費用をおさえられ、休業補償も受けられるため、一人親方になる際は必ず加入しましょう。

 

青色事業専従者給与に関する届出

青色専業専従者給与とは、配偶者などの家族が一人親方の仕事を手伝っている場合に、その家族の報酬を青色申告者の所得から控除できるというものです。

税金を減らせる上に、家族に支払う給与を経費計上できる点が魅力です。家族が手伝っている場合は、届出をしましょう。

 

給与支払事務所等の開設届

家族に手伝ってもらったり、従業員を雇う場合は、給与支払い事務所等の開設届が必要になります。雇っている家族や従業員へ給与を支払う時は、従業員の所得税を給与から天引きして税務署に支払うことになります。

届出を出していないと納付書が届かないため、税金を払い忘れて、後に余計なお金を支払うことになるリスクがありますので、忘れずに提出しましょう。事務所開設日から1か月以内に提出する必要がある点にも注意が必要です。

 

一人親方が開業届を出していないとどうなる?

 

一人親方は開業届を出す必要がありますが、万が一届出を出さなかった場合にどうなるのか気になる方も多いでしょう。本章では、以下の項目に沿ってご紹介します。

  • 罰則はない
  • 社会的信用が得られにくくなる

届出を出さなかった場合について、事前に把握しておきましょう

 

罰則はない

一人親方として事業を開始してから1か月以内に開業届を提出する必要がありますが、1か月を過ぎても罰則はありません。

開業届を出し忘れていると気づいた時に提出することも可能です。開業届を出すことは定められていますが、罰則はないことを覚えておきましょう。

 

社会的信用が得られにくくなる

罰則はないので、開業届を出す必要があるのかと思う方も多いでしょう。しかし、開業届を出していないことで、一人親方として事業を行うことに社会的信用が得られにくくなる傾向があります。

社会的信用がないと、業務を受託することは難しくなり、収入が安定しません。事業を安定させるためにも、開業届は忘れずに提出しましょう。

 

一人親方の今後の展望

 

独立を検討している方には、一人親方の今後の展望について気になる方も多いでしょう。本章では、以下の項目に沿ってご紹介します。

  • 社会保険加入の流れができつつある
  • インボイス制度導入における影響
  • キャリアアップシステムを活用する

独立を検討している方は、今後の流れについて把握しておきましょう。

 

社会保険加入の流れができつつある

2013年から厚生労働省の取り組みにより下請け業者の社会保険加入が強く推奨されるようになりました。業務を委託する際の見積書に法定福利費の記載が求められるようになり、社会保険に加入していなければ現場に入れなくなるケースが増えました。

自分の裁量で仕事が進められ、出来高報酬を得られる事業主としての一人親方の場合は、個人で社会保険に加入する必要があります。

元請け企業との契約に基づく労働者の立場に近い一人親方は、元請け企業の労災保険に加入しなければなりません。社会保険に入っていなければ、仕事を受けにくくなる点に注意しましょう。

*参考 建設業における一人親方の今後はどうなる?現状と危ないと言われる3つの理由について徹底解説!

 

インボイス制度導入における影響

2023年10月よりインボイス制度が導入されました。インボイス制度とは一定の要件を満たした適格請求書(インボイス)を用いることで、売買に発生する消費税を証拠資料として残し、仕入れ税額控除を受けられるという仕組みです。

しかし、売上1,000万円以下の免税事業者は制度から除外され、仕入れ税額控除が今後受けられなくなります。該当する事業者は消費税分にあたる10%の売上が今後減ることが予想されます。

 

キャリアアップシステムを活用する

キャリアアップシステムは、職人が技能情報や資格、就業履歴などを登録し、事業者に提示できるシステムです。このシステムによって、事業者が客観的な視点に基づいて、下請け企業を選べるようになりました。

大手企業の建設現場では、キャリアアップシステムカードで入場管理を行っており、登録がなければ作業できないケースも増えています。一人親方にとっては、自身の現場経験を証明するものになるため、活用を検討しましょう。

 

一人親方はイベント業界で大活躍!

 

一人親方は建設業界だけではなく、イベント業界で大活躍しています。アフターコロナの時代となり、今までは規制されていたイベントもまた開かれるようになってきています。

そのため、イベント業界での仕事は増加傾向にあるため、案件を取れることが多くなってきています。案件を取るためには職人BASEへの登録がオススメです。

大工や内装工、塗装工、とびの一人親方が活躍できるお仕事があります。イベント業界での仕事を検討している方は職人BASEへの登録を検討しましょう。

*参考 職人BASE –

 

まとめ|開業の準備だけでなく今後に備えよう

 

一人親方になるためには、独立前から開業の準備をする必要があります。独立を検討している方は、本記事を参考に準備を完了してから、独立するようにしましょう。開業届などの手続きは忘れずに行ってください。

また、一人親方を取り巻く今後の状況として、社会保険の加入が必須となることや、インボイス制度導入により収入に影響が出ること、キャリアアップシステムを活用して現場経験を証明できるようにすることを把握しておきましょう。

この記事を編集した人

職人BASE ライター

職人BASE 編集部

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