大工は、スキルを高めたり資格を取得したりすることで、年収アップを目指せます。大工で年収アップを目指す場合は、大工の年収が上がる仕組みと上がるための具体的な方法を把握しておくことが大切です。
この記事では、大工の年収の相場や年収をあげるための方法について詳しく解説します。
目次
大工の年収は他の職業と比べて高いのか低いのか
まず大工の年収は他の職業と比べて、高いのか低いのか確認しておきましょう。厚生労働省が公表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、一般的な労働者の平均年収は次の通りでした。
- 一般労働者(男女計)の平均年収 311万8,000円
- 一般労働者(男性)の平均年収 342万円
- 一般労働者(女性)の平均年収 258万9,000円
さらに同調査における大工の平均年収は、次の通りです。
- 大工の平均年収 約416万円
- 大工の平均月収 約35万円
- 大工の平均初任給 約21万円
一般的な労働者の平均年収が約312万円であるのに対して、大工の平均年収は約416万円と高い傾向にあります。ただし大工の年収は、経験やスキルによって大きく変動するため、働き始めてすぐに平均程度の給与を得られるとは限りません。
大工の年収は他の職業と比べて高い傾向にありますが、スキルや経験を積まなければ高年収を目指せないので注意しましょう。
「職種別」大工の年収相場
大工と一口に言っても、さまざまな職種があります。職種によって大工の年収相場は異なります。自分が働く職種・目指す職種の平均年収を把握しておくことが大切です。
職種別に大工の年収相場を解説しますので、年収アップを目指す際の参考にしましょう。主な大工の職種は、次の通りです。
- 建築大工
- 宮大工
- 型枠大工
- 造作大工
- 墨出し大工
- 船大工
- 内装大工
それぞれの仕事内容と年収相場を解説します。
建築大工
建築大工とは、主に木造建築を行う大工の職種です。建物の構造やフレームを構築し、木材を使用して建設プロジェクトに従事します。
重たい木材を運んだり高所での作業を行ったりと、一般的にイメージされる大工の仕事です。スキルだけでなく体力も求められる建設大工の年収は、約416万円が相場です。
宮大工
宮大工とは、神社仏閣や城郭の建築・修繕作業を専門的に担当する大工のことです。歴史的価値のある建築物を主な施工対象としていますが、依頼によっては一般住宅の建設・修繕を担当するケースもあります。
宮大工の年収は、見習い時期には他の大工と同程度の年収相場ですが、経験を積んで職人になれば高年収を目指すことも可能です。宮大工の年収相場は、見習いで250万円から350万円ほど、職人になれば600万から1,000円ほど稼げます。
型枠大工
型枠大工は、鉄筋コンクリートの枠組みをつくる大工の職種です。鉄筋コンクリート造の建設物を施工する際の、基礎部分を担当する職種であり、建築業に必要不可欠な存在です。
型枠大工は、高い技術が求められる職種なので、年収相場が450万円ほどと平均的に給料が高い傾向にあります。
造作大工
造作大工とは、窓枠や壁などの建物の内装工事を担当する大工の職種です。ただ建物を建設するだけでなく、内装をおしゃれに仕上げるデザイン力とセンスが求められます。
力仕事より繊細な技術力が求められる造作大工の年収相場は、350万円ほどです。
墨出し大工
墨出し大工は、建設工事の基礎となる線を書く大工の職種です。建物の基準線や位置を確定するために、基準点を設定し書き出す作業を行います。
建設工事の基礎となる仕事を行う、墨だし大工の年収相場は270万から350万円ほどです。
船大工
船大工は、船をつくる大工の職種です。近年は、木造の船をつくる機会が減っており、船大工の数も減少傾向にあります。
なお船大工の年収相場は、経験年数や技術によって大きく変動し、賞与の有無も雇われる企業によって異なります。船大工の年収相場は470万円ほどと、他の職種より高めの基準です。
内装大工
内装大工とは、建物の装飾を行って建設の最終段階である内装工事を担当する大工の職種です。建物の雰囲気やクオリティを左右する仕事であり、繊細な技術力とデザイン力が求められます。
力仕事より高い技術力・デザイン力が求められる内装大工の年収相場は、433万円ほどです。
*参考 大工の給料や平均年収は?年収が高い人の特徴や給料をアップさせるコツを解説 – 建設業界の求人サイト・総合人材エージェント ビーバーズ
大工の年収はどう決まる?
大工で年収アップを目指すためには、どのようにして年収が決まるのか、大工の給与制度について把握しておく必要があります。
大工の年収は、次のような要因で決まる傾向にあります。
- 経験年数によって増える傾向にある
- 男性の方が女性よりも高い傾向にある
- 日給が基本となる
- 一次請け・二次請け・手間請けでも変わる
それぞれの要因を確認して、大工としてどうすれば年収を上げられるのか理解しておきましょう。
経験年数によって増える傾向にある
大工の年収は、経験年数によって増える傾向にあります。
大工は高いスキルや難しい資格を持っている職人ほど、現場で需要があり、高い給与を支払ってでも欲しい存在です。そのため、経験年数を積んで技術を身につければ、現場責任者や親方へと昇格していき年収がアップします。
実際、厚生労働省が公表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、年齢が上がるほど平均年収が高くなる傾向が判明しました。
年齢 | 平均年収 |
19歳まで | 209万円 |
20〜24歳 | 349万円 |
25〜29歳 | 404万円 |
30〜34歳 | 467万円 |
35〜39歳 | 513万円 |
40〜44歳 | 536万円 |
45〜49歳 | 508万円 |
50〜54歳 | 360万円 |
55歳〜59歳 | 413万円 |
60歳〜64歳 | 438万円 |
大工の年齢別平均年収では、40歳から44歳までの年齢層が年収約536万円と最も高いです。見習いから経験を積んで技術を上げることで、年収アップへとつながるため、年齢が上がるごとに年齢も上がる傾向にあります。
男性の方が女性よりも高い傾向にある
大工の年収は、男性の方が女性よりも高い傾向にあります。
厚生労働省が公表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、男女の年収年収を企業規模別に比較すると、次のような結果が判明しました。
性別 | 会社規模 | 平均年収 |
男性 | 10〜99人 | 384万6,000円 |
100〜999人 | 497万9,500円 | |
1000人以上 | 458万5,200円 | |
女性 | 10〜99人 | 469万5,500円 |
100〜999人 | 336万8,400円 | |
1000人以上 | データなし |
上記のデータによると、企業規模100人の職場では男性より女性の方が高年収な傾向にあります。一般的な労働者の平均年収でも、男性の方が年収が高い傾向にあるように、大工の世界でも女性より男性の方が高くなっています。
日給が基本となる
大工の仕事は、日給が基本になります。1日あたりの日給を稼いで年収アップを目指すため、働く日数が多いほど年収アップにつながります。
そのため、雨や災害・請負元の仕事量によって働ける日数が変動するため、大工の年収は天候や社会情勢に影響されやすいです。大工で年収を上げるには、できるだけ多くの日数を勤務して日給を稼ぐ方法が一般的です。
一次請け・二次請け・手間請けでも変わる
大工の年収は、勤務する企業によって変動します。なぜなら、一次請け・二次請け・手間請けなど、建築業界の構造によって報酬が変わるからです。
大手ゼネコンや工務店など元請け企業は、直接依頼主から報酬を受け取るため、大工へ支給する給与も高く設定できます。しかし、二次請けや手間請けなど下請けを担当する業者の場合、報酬が一次請けより少ないため大工へ還元できる給与も少ない傾向にあります。大工の年収を上げたい方は、できるだけ元請けで仕事を受注している企業に就職したり、元請けとして案件を受注したりすることが必要です。
大工で年収を上げるための方法4選
大工で年収を上げるために、次の方法が効果的です。
- 技術を上げる
- 資格を取得する
- 転向する
- 独立する
それぞれの方法を実践して、大工で年収アップを目指しましょう。
技術を上げる
大工の年収は、技術やスキルによって変動します。そのため、年収アップを目指すためには、技術を上げる努力が必要不可欠です。
高い技術力を持つ職人になれば、1日あたりの日給も増えて高給取りを目指せます。大工で年収アップを目指したい場合は、経験を積んで技術を向上させましょう。
資格を取得する
大工で年収を上げるために、資格を取得する方法が効果的です。「建築大工技能士」や「建築士」資格など、大工としての技術・知識を証明する資格を取得すれば、高い年収で雇ってもらえます。
さらに大手企業や元請け企業へ就職できる可能性が高まり、年収が高い環境で働くことも可能です。
転向する
大工で年収を上げたい方は、現在の職種から転向することを検討しましょう。職種によって年収相場が異なるため、現在より報酬が高い職種に転向した方が、年収アップを目指せます。
同職種でも施工管理や親方など、管理職へ昇格すれば年収を上げることが可能です。
独立する
大工で年収を上げる具体的な方法は、独立して自分で仕事を受注することです。独立親方として成功すれば、受注した仕事の報酬を自分に還元できるため、雇われ大工より年収アップを目指せます。
仕事の受注量や精度・独立後の企業規模によっては、年収1,000円も夢ではありません。
自営業の大工と雇われ大工の年収の違い
大工で大幅な給料アップを目指すなら、一人親方や独立型大工になる方法があります。一人親方や独立型大工の平均年収は500から600万円ほどであり、一般的な雇われ大工より高収入です。
一人親方や独立型大工など自営業の大工は、個人事業主・経営者になるため、自分で働いた分・仕事を受注した分が給料に反映されます。そのため、仕事を多く受注できる自営業の大工になれば、年収1,000円以上の高所得を目指せます。
年収UPを目指すならイベント系案件マッチングサイト「職人BASE」
年収アップを目指したい大工の方は、イベント系案件マッチングサイト「職人BASE」がおすすめです。「職人BASE」では、仕事を受注したい職人が自分に合うイベント案件を探して応募できます。
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*参考 職人BASE
まとめ|大工としての年収を上げていこう
大工としての年収を上げるためには、経験を積んで技術・資格を習得する必要があります。基本的に大工は日給制で稼ぐスタイルになるため、できるだけ多くの日数働いて月給を上げることで高年収を目指せます。
基本給である日給を上げるためには、技術を磨いて資格を取得する必要があり、高いスキル・資格を有する職人ほど年収が高いです。
他にも元請け企業で働けば、下請け企業より高い年収をもらえるため、就業先選びも重要です。
自分で独立して仕事を受注できるようになれば、年収1,000万円以上の高所得も狙えるため、年収を上げたい大工の方は自分で仕事を取れるようになりましょう。
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