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大工の給料の平均とは?相場から手取りを計算する際の相場を徹底解説

大工への就職・転職を検討している方は、給料の平均相場がどの程度なのか把握しておく必要があります。さらに現在大工として働いている方は、自分の年収・手取りの給料が適切なのか、相場と比較しておくことが大切です。

本記事では、大工の平均給料について、給料が上がる仕組みと職種別の給料相場を交えて解説します。

 

大工の給料の平均とは

 

大工の給料の平均相場が、どの程度なのか把握しておかなければ、周囲と比較して自分の給料が適切なのか判断できません。

厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、一般的な労働者の平均年収は次の通りです。

  • 男女計 311万8,000円
  • 男性 342万円
  • 女性 258万9,000円

男性の平均年収が342万円なのに対して、女性の平均年収は258万9,000円と約83万円の差がありました。なお、男女含む全体の平均年収は311万8,000円です。

大工の平均給料を解説しますので、一般的な労働者の平均年収と比較しておきましょう。

*参考 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

 

大工の求人から見る平均給料

実際に募集をかけられている求人の待遇を確認すると、大工の給料相場を把握できます。2024年1月現在で求人ボックスにて募集をかけられている大工の求人によると、平均給料は次の通りでした。

  • 正社員 平均年収419万円
  • アルバイト・パート 平均時給1,015円
  • 派遣社員 平均時給1,299円

一般的な労働者の平均年収が311万8,000円であるのに対して、大工の平均年収は419万円と少し高めです。月給で換算すると35万円ほど、初任給は21万円ほどが相場になります。

*参考 求人ボックス「大工の仕事の年収・時給・給料」

 

大工を含む建設業の平均給料

大工は業種に分けると、建設業に分類されます。厚生労働省が実施した「令和4年賃金構造基本統計調査」の産業別にみた賃金によると、大工を含む建設業の平均給料335万4,000円でした。

さらに厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」にて公表されている大工に関する給料情報をまとめると、次のような結果でした。

平均年収 384万円
平均月収 29万8,000円
平均賞与 26万8,000円
平均時給 1,318円
総労働時間 186時間
平均年齢 45.7歳
平均勤続年数 12.6年

企業規模別の平均年収は、次の通りです。

性別 会社規模 平均年収 平均月収 平均賞与
男女含む全体 10〜99人 357万円 27万8,000円 22万9,000円
100〜999人 372万円 27万5,000円 41万1,000円
1000人以上 331万円 25万1,000円 29万8,000円
男性 10〜99人 387万円 30万1,000円 25万3,000円
100〜999人 388万円 28万4,000円 47万1,000円
1000人以上 378万円 27万8,000円 44万5,000円
女性 10〜99人 288万円 22万1,000円 23万5,000円
100〜999人 374万円 26万1,000円 60万4,000円
1000人以上

男女比で見ると、男性の方が女性より平均給料が高い傾向にあります。さらに企業規模で見ると、100人から999人の事業所がもっとも平均給料が高い傾向が判明しました。

*参考 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査(5) 産業別にみた賃金」

 

手取りだといくらくらいになる

「賃金構造基本統計調査」で公表されている大工の平均月収29万8,000円が額面の場合、実際に支給される手取り月給は約22万8,000円ほどです。

平均賞与が26万8,000円だったのに対して、税金が引かれた後の手取り賞与額は約21万円ほど、平均年収384万円の手取り年収は約302万6,000円になります。

ただ、手取りは住んでいる地域や年齢・扶養人数によって異なるため、あくまで参考にしましょう。

 

大工の給料が上がる仕組み

 

大工の給料が上がる仕組みを理解しておくことで、年収アップを狙えます。大工の給料が上がる仕組みを把握して、どうすれば給料を上げられるか対策を考えましょう。

 

基本的に日給計算

大工の給料の仕組みは、基本的に日給計算が一般的です。1日あたりの日給計算で給料を稼ぐため、出勤日数が多い月ほど月給が多くなります。

そのため、雨や台風・体調不良によって勤務日数が少ない月は、月収が減少してしまいます。大工の給料が基本的に日給計算を採用している理由は、請負元となる事業所が天候や仕事量によって収入が変動するからです。

大工で給料を上げるには、できるだけ多く出勤して日給を稼ぐ方法が一般的です。

ただし工務店やハウスメーカーの正社員として勤務している場合は、月給制で固定給を定められているケースも多いため、安定した収入を得られます。

 

経験や技術によって昇給

大工の給料は、経験や技術によって昇給します。

見習いの段階では日給1万円前後が相場ですが、経験を積んで技術が向上した大工では日給が1万5,000円から2万円前後まで上がります。

さらに親方や棟梁と呼ばれる責任者までキャリアアップすれば、高額な報酬も期待できるでしょう。大工で給料を上げるには、現場経験を積んで難しい技術や資格を習得し、技術を向上させる必要があります。

 

一人親方や独立型大工になる

大工で大幅な給料アップを目指すなら、一人親方や独立型大工になる方法がおすすめです。一人親方や独立型大工の平均年収は500万円から600万円ほどと言われており、一般的な雇われ大工より高収入を狙えます。

また一人親方や独立型大工は、個人事業主・経営者になるため、自分で働いた分・仕事を受注した分が給料に反映されます。そのため、一人親方や独立型大工になれば、年収1,000万円も夢ではありません。

 

地域別の大工の給料相場

 

大工の平均給料の相場は、働く地域によって異なります。求人ボックスによると地域別の大工の給料相場は、次の通りです。

地域 正社員の平均年収 アルバイトの平均時給 派遣社員の平均時給
北海道・東北 376万円 979円 1,177円
甲信越・北陸 398万円 1,062円 1,280円
関東 437万円 1,048円 1,355円
関西 412万円 1,025円 1,262円
四国 399万円 905円
中国 376万円 961円 1,233円
九州・沖縄 376万円 918円 1,250円

全国的に見ても、関東地域の給料が高く、地方に行くほど給料が下がる傾向にあります。他の業種と同様に、大工も都市部の方が給料が高く地方に行くほど給料が低いです。

*参考 求人ボックス「大工の仕事の年収・時給・給料」

 

職種別の大工の給料相場

 

大工と一口に言っても、さまざまな種類の職種があります。

  • 建築大工の給料相場
  • 宮大工の給料相場
  • 型枠大工の給料相場
  • 造作大工の給料相場
  • 墨だし大工の給料相場
  • 船大工の給料相場
  • 内装大工の給料相場

それぞれ職種別の大工の給料相場をご紹介しますので、これから大工を目指す方は職種選びの参考にしましょう。

 

建築大工の給料相場

建築大工とは、主に木造建築を生業とした大工の職種です。建物の構造やフレームを構築し、木材を使用して建設プロジェクトに従事します。建設大工の年収は、約416万円が相場です。

 

宮大工の給料相場

宮大工とは、神社仏閣や城郭の建築・修繕作業を専門的に担当する大工のことです。歴史的価値のある建築物を主な施工対象としていますが、依頼によっては一般住宅の建設・修繕を担当するケースもあります。

宮大工の年収は、見習いで250万円から350万円ほど、職人になれば600万から1,000万円ほど稼ぐことも可能です。

 

型枠大工の給料相場

型枠大工は、鉄筋コンクリートの枠組みをつくる大工を指します。鉄筋コンクリート造の建設物を施工する際の、基礎部分を担当する職種です。

型枠大工の給料相場は年収で450万円ほどで、高い技術が求められる職種なので平均的に給料が高い傾向にあります。

 

造作大工の給料相場

造作大工とは、窓枠や壁などの建物の内装工事を担当する大工です。ただ建物を建設するだけでなく、内装をおしゃれに仕上げるデザイン力とセンスが求められます。

造作大工の平均給料は、年収で350万円ほどが相場です。

 

墨だし大工の給料相場

墨出し大工は、建設工事の基礎となる線を書く職種です。建物の基準線や位置を確定するために、基準点を設定し書き出す作業を行います。

墨だし大工の年収相場は、270万円から350万円ほどです。

 

船大工の給料相場

船大工は、船をつくる大工のことです。近年は、木造の船をつくる機会が減っており、船大工の数も減少傾向にあります。

なお船大工の給料相場は、470万円ほどと他の職種より高めの基準です。

 

内装大工の給料相場

内装大工とは、建物の装飾を行って建設の最終段階である内装工事を担当する大工です。建物の雰囲気やクオリティを左右する仕事であり、繊細な技術力とデザイン力が求められます。

内装大工の給料相場は、433万円ほどです。

 

イベント業界でも大工の需要が高まっている

 

大工の需要は、建設業界だけでなくイベント業界でも高まっています。イベント業界では、展示会ブースの施工や現場の進行管理など、大工の技術が求められています。そのため、技術を持った職人であれば、イベント業界で大工の技術を活かして活躍できるでしょう。

「職人BASE」は、技術を持った職人と職人不足の課題を抱えているイベント関連企業がつながることができるプラットフォームです。

技術を持った職人が会員登録すれば、「職人BASE」でイベント関連の案件を探すことができます。個人事業主・法人所属問わずに利用できるため、大工で給料アップを目指す方は、ぜひご登録ください。

参考* 職人BASE

 

まとめ|大工は技術や経験によって給料アップが目指せる

 

大工は技術や経験によって、給料アップが目指せる職種です。一般的な労働者の平均給料より少し高い水準ですが、大工の給料形態は基本的に日給制を採用しています。

そのため、体調不良や雨天時には出勤日数が減り、給料も減少してしまいます。しかし、経験を積んで一度技術を習得した大工は、高い給料で雇われるため、年収アップを目指せます。

自分のスキルに応じて給料アップを目指せ、一人親方や独立型大工になれば年収1,000円も目指せる職種です。培ってきたスキル・経験に応じた給料を得られるため、大工の仕事は人によっては憧れの仕事となるでしょう。

大工で給料アップを目指す方は、スキルアップに励んで自らの技術と経験を向上させましょう。

この記事を編集した人

職人BASE ライター

職人BASE 編集部

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