大工と一口にいってもさまざまな種類があります。そしてそれぞれ仕事内容や収入も異なるため、これから大工を目指す方は実際にどのような種類があり、どのような仕事内容なのかは知っておいて損はない知識でしょう。
そこでこの記事では、大工の種類やそれぞれの仕事内容、年収相場などにくわえ、未経験でも転職できるのかなどを詳しく解説します。記事の最後にオススメの転職サイトもご紹介するので、ぜひ最後まで読んでください。
目次
大工の主な種類と仕事内容、年収相場一覧
まずは本題である大工の主な種類と仕事内容、年収の相場をみていきましょう。今回主な大工の種類として以下の4つをピックアップしました。それぞれ詳しく解説します。
- 町大工
- 内装大工
- 型枠大工
- 宮大工
町大工
町大工は主に木造住宅の新築や改築を手掛ける大工です。作業内容は基礎工事から屋根の構造施工、内装の仕上げまで多岐にわたります。また、施主と直接相談し、費用や工期を調整する役割も担うことがあるため、大工の技術だけでなくコミュニケーション能力も求められます。
町大工の平均年収は約450万円ほどで、経験やスキルの向上によりさらなる収入アップも期待できるでしょう。木造住宅に興味があり、地域密着型の仕事をしたい方に向いています。
*参考 町大工/jobtag
内装大工
内装大工は建物の内部を仕上げる専門職で、床や壁、天井の施工を担当します。作業内容はフローリングの施工やクロス貼り、ボード張り、間仕切りの設置など、内部仕上げ作業だけでも多岐にわたります。
また、建物の用途に応じた材料選びや施工基準への対応ができることも重要です。屋内作業が主なため、天候に左右されにくい点が特徴です。
平均年収は約450万円ほどですが、経験を積むことで、一般住宅だけではなくビルやテナントなどの施工も依頼されるため、収入アップが期待できます。仕上がりを重視する繊細な作業が得意な方に向いているといえるでしょう。
*参考 内装大工/jobtag
型枠大工
型枠大工は、鉄筋コンクリート建築で使用される型枠を製作・設置する専門職です。とび職と混同されがちですが、型枠大工はれっきとした大工の種類です。
仕事内容としては、施工図に基づいて合板や金具を使い、コンクリートを流し込むための型を組み立てます。作業現場は主にビルや橋、トンネルなどの工事現場で、精密さと強度が求められる技術職です。
平均年収は約460万円ほどで、経験を積み、技術を磨くほど収入が増える職種です。建設現場全般に必要とされ、高い需要がある職種といえるでしょう。
*参考 型枠大工/jobtag
宮大工
宮大工は少し特殊な大工で、神社や仏閣、城などの建築や修繕を専門とする職人です。釘を使わない「木組み技法」を用いる点が特徴で、木材への負担を減らし建物の耐久性を高めます。重要文化財の保存や修繕が主な仕事で、時々一般住宅を手掛ける場合もあります。
年収は見習いで250万~350万円ほどと低めですが、一人前になると600万円以上と技術に伴って高収入になることが特徴です。高い技術と経験を求められるため、独立には時間がかかりますが、その分安定した需要が期待できるでしょう。
大工は未経験でも転職できる!その理由とは
さまざまな大工の種類をみてきましたが、そのどれもが専門的な技術や知識を必要とします。そのため、専門的な学校を出ていたり、なにかしら経験がないと転職できないと思われがちですが、実は大工には未経験でも転職できます。
ではなぜ、高い技術職の大工は未経験でも転職できるのか。その理由を詳しく解説します。
深刻な職人不足
建設業界では、深刻な職人不足が問題となっています。とくに若手の人材が不足しており、現役で活躍している大工も高齢化してきていることが、業界全体の課題です。
この背景には、労働環境の厳しさや賃金の低さ、若者の建設業離れなどが挙げられます。そのため、未経験者でも将来性のある人材を集めたいため、未経験転職ができる状況なのです。業界全体で人材確保のための教育体制や労働環境の改善が進められています。
教育環境の充実化
建設業界では、未経験者向けの教育環境が充実しつつあります。各地の職業訓練校や建設業界団体が主催する研修プログラムでは、工具の使い方や基礎技術を体系的に学ぶことが可能です。また、企業内でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)も盛んで、先輩職人が丁寧に指導する仕組みが整えられてきつつあります。
これらの理由により、未経験からでも大工が募集でき、基本スキルの習得や実際の現場で活躍できる基盤が築けています。業界全体で人材育成を強化しているため、未経験者にとって挑戦しやすい環境といえるでしょう。
大工として年収をあげるには
大工として転職した場合まずは見習いからのため、基本的には数年間は年収が低めだと思っていた方がいいでしょう。ではそこからどのように年収をあげていくのか、その主な方法として以下の3点を詳しくご紹介します。
- 技術や経験を磨く
- 資格を取得する
- 一人親方として独立する
技術や経験を磨く
大工として年収を上げるには、技術と経験を積み重ねることが欠かせません。見習いの段階では収入が低めでも、実践を重ねて技術を磨けば日給や月給が大幅に向上する可能性があります。
とくに幅広い作業に対応できるスキルをもつことが重要で、たとえば町大工として木造建築全般に携わるほか、内装工事や家具制作などのスキルを習得すれば仕事の幅が広がり、高い評価も得やすくなるでしょう。正確で効率的な作業を心がけ、現場で信頼される存在になることが収入アップの近道です。
資格を取得する
資格を取得することで、大工としての知識や客観的な価値が高まり、年収アップも期待できるでしょう。企業によっては資格手当がつくほか、仕事の幅も広がるため、収入の増加につながります。
たとえば「建築大工技能士」は木造建築に必要な国家資格で、1級から3級まであり、取得することで技術の証明となります。また、「二級建築士」の資格を取得すれば、木造建築だけでなく一部の鉄筋コンクリート造や鉄骨造建築物の設計や監理も任されるでしょう。
これらの資格は実務経験や学歴要件を満たせば受験できます。キャリア形成において大きな強みとなるため、取得を目指して損はないでしょう。
一人親方として独立する
技術や経験を磨いたら、いずれは一人親方として独立することで、大工としての収入を大幅に増やせます。独立することで、受注額をすべて自身の収入にできるため、工務店などで働くより高収入が期待できるでしょう。
また、独立により仕事の内容や働き方を自由に選べる点も大きな魅力です。ただし、経営に必要な知識や顧客との契約、資材の調達、納期管理などすべてを自身で担う必要があるため、責任が重くなる点は覚悟が必要です。安定した収入を目指すなら、実績や人脈を十分に築いてから独立を検討するとよいでしょう。
大工への転職にオススメのサイト4選
実際に大工に転職する場合に利用して欲しい転職サイトを4つご紹介します。求人数の多さが特徴のものや、建築業界に特化したものまでさまざまですので、ご自身に合っているものをぜひ活用してみましょう。ご紹介するサイトは以下の4つです
- 求人ボックス
- 職人さんドットコム
- ジョブケン
- 助太刀社員
求人ボックス
「求人ボックス」は、多様な求人情報を一括で検索できる求人検索エンジンです。建築や大工業界の求人も多く、正社員やパート、アルバイトなど幅広い雇用形態に対応しています。
無料で求人を閲覧できるため、登録なしでも手軽に利用できます。また、詳細条件を指定して検索できる機能が充実しており、勤務地や給与、雇用形態などの希望に沿った求人を簡単にみつけられるため、より相違なく求人がみつけられるでしょう。
さらに、専用アプリを利用すれば、検索条件の保存や新着求人の通知機能を活用でき、効率的に求人探しを進められる点が魅力です。
*参考 求人ボックス
職人さんドットコム
「職人さんドットコム」は、大工をはじめとする建築業界の職人向け求人情報を専門に扱うサイトです。全国の工務店や建設会社が掲載する求人情報が豊富で、職種やエリアを指定して検索できます。
また、求人情報だけでなく業界ニュースや役立つコラムも掲載されており、転職した後も情報収集に役立つので非常に便利です。さらに、登録者には特典として資材や工具の割引情報も提供されており、現場で必要な物品をお得に購入できる点も魅力です。
経験者だけでなく未経験者も歓迎する求人が多数あり、転職活動をスムーズに進められます。
*参考 職人さんドットコム
ジョブケン
「ジョブケン」は建築・建設業界に特化した求人サイトで、土木工事や重機オペレーター、大工などの職種から条件に合った仕事を簡単に探せることが特徴です。専門アドバイザーが求職者と企業のマッチングを行い、転職活動のサポートも提供します。
また、会員登録をすると企業からのスカウト機能を利用でき、自分から応募するだけでなくより多くのチャンスを得られる点が魅力です。建設業界での就職や転職を目指す方にとって、効率的で心強いサービスがそろっています。
*参考 ジョブケン
助太刀社員
「助太刀社員」は建設業界に特化した求人サービスで、正社員やアルバイトの求人を多数掲載しています。職種や勤務地、給与などの条件を指定して検索できるため、自分に合った求人を簡単にみつけられます。
また、求人への応募は堅苦しい形式ではなく企業とのメッセージからはじまるため、気軽に質問や相談ができることもポイントです。さらに、企業が求職者に向けて求人情報を積極的にPRする機能もあり、求職者にとっては幅広いチャンスが提供されています。
閲覧や応募は無料で利用できるため、はじめての方でも安心して活用できるでしょう。
*参考 助太刀社員
大工のスキルを磨きイベント業界でも活躍しよう
無事大工として転職した後、建築業界でスキルや経験を磨きつつ活躍することでしょう。しかし、大工のスキルが活躍する場は建築業界のみにとどまりません。実は大工のスキルは、展示会・イベント業界でも求められています。ここで、イベント業界においての大工の仕事内容や、案件・求人を探す場合にオススメのサイトを詳しく解説します。
イベント業界での大工の仕事内容
イベント業界では、図面を読み取り、細かな造作ができる大工の技術が欠かせません。具体的な仕事内容として、展示会のブース設営、イベント用什器の製作、特別装置の設置などが挙げられます。
イベント会場入りからイベント当日までの短期間で完成させる必要があり、迅速で正確な作業が求められます。また、クライアントの要望を形にする力が制作物、ひいてはイベント全体の成功を支える重要なスキルだといえるでしょう。
大工の経験と技術は、イベント業界で新たな価値を発揮しています。建築業界のみではなく、イベント業界でも大工のスキルを活かしましょう。
イベント業界の案件獲得や求人を探すなら「職人BASE」
もしもイベント業界に興味があり、案件や求人を探したい場合、「職人BASE」がオススメです。「職人BASE」は、大工を探したいイベント会社と職人をマッチングさせるプラットフォームです。
「職人BASE」は、スマホアプリを通じて条件に合う求人や案件を簡単に検索できます。応募や企業との連絡がスムーズに進むだけでなく、プロフィールをみた企業から直接スカウトが届くこともあるため、自分から動かずともよい出会いのチャンスが生まれる点が魅力です。
案件を通じて正社員として採用されるケースもあり、転職希望者にも適しています。また、専任エージェントによるサポートがあるため、未経験者でも安心して利用できる点が魅力です。「職人BASE」を利用して、イベント業界への一歩を踏み出しましょう。
*参考 職人BASE
まとめ|大工は種類が豊富!なりたい大工を目指そう
この記事では、大工の種類やそれぞれの仕事内容、年収相場、未経験でも転職できるのかなどを詳しく解説しました。大工はさまざまな種類があり、その数だけ仕事内容も異なります。そのため、自身に合った仕事内容を選び、その道を極められることは非常に魅力的です。
この記事を参考に、大工の道を目指しましょう。そして今、大工のスキルが非常に求められているイベント業界も視野に入れ、あらゆる業界で活躍できる価値の高い大工を目指しましょう。