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とび職が取るべき資格5選|資格取得のメリットや難易度を紹介

建設現場やイベント会場において、とび職は重要な仕事を担当しています。とび職になるために資格は必要ありませんが、収入アップを目指す場合は資格を取得することが必要になってきます。

資格を取得すればとび職としてできる作業が増えたり業務の幅を広げたりできるので、転職や独立をするときにも大切です。

この記事では、とび職が資格をとるメリットや収入アップに役立つ資格をご紹介します。とび職の国家資格のとび技能士についてや、イベント業界の案件がオススメの理由についても解説するのでぜひ参考にしてください。

 

とび職に資格は必要?

 

とび職とは建築現場などで足場の組立てや解体、重量物の運搬を主な仕事としている職業です。とび職になるための資格は不要ですが、業務に活かせる資格を取得することで対応できる仕事を増やせます。

 

とび職になるために資格は不要

とび職は資格がなくてもできる仕事があるため、未経験や無資格でも業務はおこなえます。しかし、作業によっては資格が必要だったり、資格取得者と同行しなければ業務をおこなえなかったりして業務の幅が狭まります。

 

ただし資格がないとできない作業がある

とび職の業務は、資格がないとできない作業も多いです。たとえば、足場の組立て等特別教育を受けないと、足場上での作業や移動はできますが足場を組んだり構造を変更したりすることはできません。

とび職の作業には高所での業務や重量物を取り扱い危険もともなうため、資格を取得して知識を身につけ安全を確保することも重要です。作業現場における安全対策や非常時の緊急対応についても、資格を取得することで身につけられます。

資格を取得しておけばとび職に関係するスキルや知識の証明にもなるので、高収入を狙ったり独立を目指したりすることも可能です。

とび職として年収を増やしていきたい方や、独立を考えている方は資格取得にチャレンジしていきましょう。資格取得には事前の申請が必要だったり、受験料がかかったりする点には注意する必要があります。

また、受験をするためにスケジュールを調整したり、試験対策や勉強をするための時間を作ることも必要です。

 

とび職が資格をとるメリット

 

とび職が資格をとるメリットは、

  • 業務の幅が増える
  • 昇給や手当がもらえる
  • 独立や転職が有利に

といった点があります。それぞれ確認して、とび職としてさらにキャリアアップを目指していきましょう。

 

業務の幅が増える

上述した通り、資格を持っていなくてもとび職にはなれますが、資格を取得することで業務の幅が広がります。クレーンの操作や重機の操縦などは資格がないと作業ができず、ほかの職人に依頼したり一緒に作業したりする必要があります。

資格を取得するときには安全に関する知識を身につけることも可能なので、積極的にチャレンジしてみましょう。

 

昇給や手当がもらえる

資格が取得できれば作業の幅が広がって、スキルアップやキャリアアップにもつながります。企業に勤めているとび職であれば任される仕事も増えるため、上司や同僚からの信頼を得ることも可能です。

スキルを身につけ信頼を獲得すれば、昇給をしてもらえたり手当がついたりすることもあります。とび職として高収入を狙うなら、資格を取得することもひとつの方法です。

 

独立や転職が有利に

とび職に役立つ資格を取得していれば、転職活動をするときに高待遇の給与条件を獲得しやすくなります。とび職の職人は人手不足になっていて、実務経験と資格を持っている人材は貴重な存在です。

独立して案件を獲得するときにも、資格を所有していることは役立ちます。資格を多く取得していれば、複数の業務を依頼できるため顧客のコミュニケーションコストを減らせる点もメリットです。

資格を持っていない場合は複数のとび職に業務を依頼する必要がでて、情報共有やスケジュール確認、報酬の支払いなど依頼主の手間は増えてしまいます。受注する側としては単価アップの交渉がしやすくなる点も、資格取得のメリットです。

 

とび職の国家資格「とび技能士」とは

 

とび技能士は、厚生労働省が認定している国家資格で1級から3級にわかれています。とび職人としての技術レベルを国が認定してくれているので、スキルや経験の証明にもなります。

*参考 とび(とび作業)

 

とび技能士の概要

とび技能士の資格を取得するためには、筆記試験と実技試験の合格が必要です。両方を合格することでとび技能士の資格を取得できますが、どちらかのみ合格した場合は次回で合格科目が免除されます。

3級に受験資格はありませんが、2級と1級では実務経験が必要です。試験は年に1回おこなわれていて、合格すると各都道府県の知事から交付される資格になります。

 

受験に必要な実務経験年数は?

とび技能士3級の試験に受験資格はありませんが、1級と2級を受験するには実務経験が必要です。1級は実務経験7年以上、2級は実務経験2年以上が受験資格として必要になります。

下級のとび技能士資格や大学や専門学校での専攻科卒業歴がある方は、必要な実務経験年数が減らされるので確認しておきましょう。

 

とび技能士をとるメリット

資格取得のために知識や技術を身につけるため、とび職の現場で作業に役立てることが可能です。資格を取得すれば技術力の証明にもなるので、収入アップや周囲からの信頼も手にいれられます。

独立しているとび職人は営業活動の際にも、とび技能士の資格が役立って案件を獲得しやすくなります。とび職に関する技能講習で、一部の学科が免除されることもあるのでぜひとび技能士の資格にチャレンジしてみましょう。

 

資格取得の難易度は?

とび技能士の3級は合格率が約30%になっていますが、2級は約5%、1級は約50%になっているため、対策や勉強が必要になります。1級の合格率が高いのは、長い実務経験が必要となり、受験者のレベルが高いことが理由の一つとして挙げられます。しかし、とび技能士の筆記試験では普段使わないような知識を問われることもあるため、過去問や問題集を解いておきましょう。

実技試験ではとび職としての技術力が問われるため、普段の業務を通じて正確な作業を心がけてスキルを身につけておくことが大切です。試験内容は受験する級によって決まっているので、事前に確認しておきましょう。

また、とび技能士の試験日は真夏の時期になっていて、暑さ対策も必要になります。試験時間も長く対策をしておかないと実力を発揮できないので、水分補給や空調服の準備などをしておくことが大切です。

*参考 とび技能士。1級・2級・3級の合格率と難易度

 

とび職の独立で役立つ資格4選

 

とび職の独立で役立つ資格には、

  • 玉掛け技能講習
  • 足場組立て等作業主任者
  • 建物等の組立て等作業主任者
  • 職長・安全衛生責任者教育

があります。案件を獲得しやすくするためにも、ぜひ取得してみましょう。

 

玉掛け技能講習

玉掛けとはクレーンなどで重い材料を吊り上げるとき、フックに荷物をかけたり外したりする作業のことです。重量物を取り扱うときは危険がともない、安全に作業をするためにもこの資格が必要になります。

建設現場では100kgを超えているような重量物を移動したり釣り上げたりすることも多く、落下や接触の事故が起きれば怪我につながってしまいます。講習を受けることによって安全な作業方法を学び、知識や技能を身につけられる資格です。

受験資格に制限がなく比較的簡単に取得できることから、まずはこの資格から取得することがオススメです。

 

足場組立て等作業主任者

とび職の主な仕事になる足場の組立てや解体は、足場組立て等作業主任者の資格が必要になります。建設現場では足場関連の事故が多発しているため、安全性や関係法令に関しての知識が求められる資格です。

この資格を取得すると作業者に指示をだす役割も任されるようになるため、作業の幅が広がって責任感のある業務にも取り組めるようになります。この資格を取得することで、単価アップにもつながるので積極的に取得してみましょう。

足場組立て等作業主任者の講習を受講するには、実務経験が必要になる点には注意が必要です。

 

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者

とび職の種類で高層ビルなどの現場で、鉄骨を吊り上げる業務をメインに活躍する「鉄骨とび」があります。高さ5メートル以上の鉄骨建築物で作業をおこなう場合には、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の資格保持者が1名以上必要です。

鉄骨とびとしてキャリアアップしたい方や高収入を狙いたい方には、オススメの資格です。資格を取得するには実務経験が必要になるので、実務を通じて知識や経験を身につけながら資格取得を目指してみましょう。

 

職長・安全衛生責任者教育

職長教育、安全衛生責任者教育の2つに分かれており、職長教育は、建設業、製造業、電気業、ガス業、自動車整備業、機械修理業の業種において、新しく職長としての役職職につく人を対象とした教育です。安全衛生責任者教育は、複数の下請け業者が入る建築現場などで、元請けの業者が安全衛生責任者を選ぶ必要がある場合に、下請け業者の中から選ばれる人を対象とした教育です。

指定された講習を受けることで、現場の作業員の安全を管理する際に必要となる資格を取得することができます。現場の職長や安全衛生責任者になれば、その分責任も大きくなるため、得られる報酬も高くなります。

 

イベント業界の案件を獲得してみよう

 

とび職の仕事は建設現場だけでなく、イベント業界の案件もオススメです。新型コロナウイルスが5類に引き下げられたことで、オフラインイベントやハイブリッドイベントの開催が増えていてとび職の案件も増えています。

イベント会場内でも足場を組んだり重量物を運び込む必要があったりと、資格を取得しているとび職の需要はあります。

イベント業界の仕事は、納期が決められていてスケジュールをたてやすい点もメリットです。案件を獲得できれば単価も高く収入も安定するため、注目されています。

ほかのとび職と一緒に作業することもあるので、知識や技術を交換したり別の案件につなげたりすることも可能です。違う業種の職人も多くいるため、イベント業界の案件を通じてあたらしいつながりが生まれることもあります。

プラットフォームの「職人BASE」では、とび職のスキルを活かせるイベント業界の案件を探すことができます。資格を取得していればプラットフォームやマッチングサイトでも、プロフィールに記載できるので案件を獲得しやすくなります。

*参考 職人BASE

 

まとめ|資格を取得してあたらしい案件にチャレンジ

 

この記事では、とび職が資格をとるメリットや収入アップに役立つ資格をご紹介しました。とび職になるうえで資格は必要ありませんが、高収入を狙ったり業務の幅を広げたりするためには資格が必要になります。

とび職にオススメの資格としては玉掛け技能講習や足場組立て等作業主任者、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者があります。とび職の国家資格である「とび技能士」もオススメで、これらの資格は独立したとび職が案件獲得時にも効果的です。

イベント業界の案件も視野にいれて、プラットフォーム「職人BASE」を活用しながら業務の幅を広げていきましょう。

この記事を編集した人

職人BASE ライター

職人BASE 編集部

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