クロス屋とは、クロス貼りを専門におこなう内装業者のことをいいます。クロスを貼ることで室内空間に、機能性とデザイン性を作り出します。ひとりで仕事をこなせるようになれば、個人事業主として独立も狙える仕事です。
この記事では、クロス屋として独立するメリットや注意点、営業方法についてご紹介します。新築物件やリフォーム工事だけでなく、イベント業界の案件を獲得する方法についても解説するのでぜひ参考にしてみてください。
目次
クロス屋とは
クロス屋とは、建築物の内装作業で仕上げとしてクロス貼りをおこなう職人の方です。壁や天井にクロスを貼ることによって、デザイン性や機能性を建築物に与えて、素晴らしい室内空間を作る仕事です。
クロスは素材や色が異なる、多くの種類が存在しています。顧客の要望に応えるために、提案力や希望を聞きとるコミュニケーション能力も必要になります。もちろんクロスを隙間なく貼ったり、きれいに仕上げたりする器用さや集中力も重要です。
クロス屋は内装業としてクロス貼り以外の業務もできる方が多く、床の仕上げや建具と家具などの組み付けと加工などもあわせて施工することがあります。複数の内装作業をできる方は、建築物の内装仕上げをまとめて依頼されることも多いでしょう。
建築現場の仕事は男性をイメージする方も多いですが、細かな感覚を持っている女性の方も活躍しています。インテリアデザインなどは女性の方が、要望に応える提案ができることも多いです。
スキルがあれば仕事を受注できるため、個人事業主として独立するクロス屋も多いです。独立することで雇われて働くよりも、高収入を狙うことも可能です。
性別に関わらず建築物やインテリアが好きな方や独立したい方は、クロス貼りの仕事にチャレンジしてみましょう。
クロス屋として独立するメリット
クロス屋として独立するメリットは、
- 高収入が狙える
- 自由に働ける
- 独立がしやすい
- お客さんの反応が見られる
といった点です。それぞれ確認しておきましょう。
高収入が狙える
内装の仕上げをするクロス屋は、技術によって仕上がりに大きな差がでます。クロス貼りの需要はますます増えていて、仕上がりがきれいな技術力の高い職人は顧客や建築会社からのニーズがあります。
独立すれば働いた分だけ収入が増えて、自分で仕事量も調整できるため高収入を狙いやすいです。会社に雇われて働く場合とは異なり、顧客に付加価値を与えることで単価アップも狙えます。高収入を目指している方は、クロス屋として独立も検討してみましょう。
自由に働ける
クロス屋として独立すれば、会社に雇われて働いていたときとは異なり、自由な働き方ができます。決まった時間に出勤する必要もなくなり、休日も自由に設定が可能です。
希望する年収にあわせて仕事量を調整すれば、週休3日などもできるので雇われよりも自由度はかなり高いです。仕事相手を自由に選択できて苦手な方との付き合いをなくせる点も、独立して働くメリットになります。
独立がしやすい
クロス貼りの仕事は短い期間で技術が習得できるため、一人前になるまでがはやいです。一般的には2、3年経験を積めばひとりである程度の業務をこなせるようになります。
ひとりで仕事ができるようになれば、独立しても案件を獲得できるので独立が可能です。ただし、独立したら営業活動や経理も自分でおこなう必要がある点には、注意しておきましょう。
独立後もクロス貼りの仕事に専念したい場合は、外注や人を雇うことなども検討することがオススメです。
お客さんの反応を見られる
クロス屋の仕事は、内装業のなかでも引き渡しに近い工程としておこなわれるため、仕事内容や仕上がりが顧客の目に入ります。新築の注文住宅であれば顧客が施工現場にくることも珍しくなく、評価や感想を聞いたり反応をみたりする機会も多いです。
図面上だけでなく現場での打ち合わせもできるため、顧客とのイメージのずれも減らせます。リフォームやリノベーションではクロス貼りによって雰囲気も変化するため、顧客から感謝やお礼の言葉をもらいやすい点もメリットのひとつです。
クロス屋として独立する上での注意点
クロス屋として独立する上での注意点は、
- 仕入費が高騰
- 納期調整が大変
- お客さんからクレームを受ける
といった点です。独立して失敗しないためにも、かならず確認するようにしましょう。
仕入費が高騰
クロス屋の仕入だけではありませんが、インフレーションや輸送費などの高騰によって、材料の値段があがっています。仕入費があがると資金繰りが難しくなったり利益が少なくなったりするという課題があります。
仕入は報酬をもらう前におこなうため、キャッシュを多く確保したり銀行から借入したりすることが必要です。クロス屋として独立した場合は、こういった問題にも対応しなければなりません。
仕入費の高騰に対応するため、料金や工賃の交渉をすることも独立には必要なスキルになります。
納期調整が大変
クロス屋の仕事は建築において完成に近い工程になるため、前工程などで遅れが発生すれば影響を受けることが多いです。建築物の引き渡し日が決まっている場合は調整が難しく、クロス屋さんにとって無理な納期で依頼されることもあります。
納期調整のために、残業や休日返上で対応することも多いです。クロス貼りの仕事は細かい作業になり集中力が必要なため、厳しい納期での工事はクオリティに影響を与えることもあります。
クロス貼りの仕上がりに影響を与えないためには、現場監督や顧客と納期を調整することが必要です。交渉が苦手な方は、納期調整のコミュニケーションが負担に感じる可能性もあります。
お客さんからクレームを受ける
クロス屋は仕上がりが顧客の目に入るため、直接クレームをいわれることも少なくありません。前工程の影響によって納期が遅れた場合でも、クレームをクロス屋にいわれることもあるため丁寧な説明を心がけましょう。
クロス貼りは壁などの広い場所への施工や光の入り具合によって、印象や見え方が変わることもあります。クレームを減らすために事前に3Dデザインなどを活用した打ち合わせや、顧客との意見の擦りあわせも必要です。
クロス屋として仕事をもらう方法とは?
クロス屋として仕事をもらう方法には大きく分けて、
- 元請け
- 下請け
- 手間請け
の3種類があります。依頼のされ方によって営業方法や取引相手が変わるので、確認しておきましょう。
元請け
元請けとは、顧客から直接仕事を依頼される方法です。リフォーム工事やリノベーション工事として依頼されることが多く、知人や知人の紹介で依頼されることもあります。
元請けでの仕事は、クロス屋が顧客との打ち合わせや材料の仕入、クロス貼りの作業や集金まですべての業務を自分でおこないます。工賃や請求金額をクロス屋が決められるため、利益をあげやすい方法です。
下請け
下請けとは、住宅メーカーや工務店などの元請け業者からクロス貼りの業務を依頼される方法です。下請けでの仕事は、元請け業者が顧客との打ち合わせをおこなってくれて、クロス屋は材料の仕入と作業だけをおこないます。作業の打ち合わせは住宅メーカーや工務店とするため、顧客との打ち合わせは少ないです。
顧客との交渉や打ち合わせに時間を取られなくなるため、効率のいい依頼のされ方と言えます。クロスの品番なども決まった状態で依頼されることも多いため、スムーズに業務をおこなえます。
元請けよりも利益が少なくなることもありますが、時間効率がいいので案件を多くこなすことが可能です。仕入を自分でおこなうため、材料仕入の利益はクロス屋の売上になります。
手間請け
手間請けとは、住宅メーカーや工務店などの元請け業者が材料を支給してくれ、クロス貼りの作業だけ依頼される方法です。顧客との打ち合わせもなく材料の仕入もないため、クロス貼りの業務に集中できる依頼のされ方になります。
材料の仕入がないと仕入費用の立て替えがなくなるため、独立したばかりで資金に余裕のない方でも請けやすい方法です。
クロス屋の営業方法は?
クロス屋の営業方法について、解説します。顧客に営業する元請けと、企業に営業する下請けと手間請けに分けて解説します。
元請けの営業方法
元請けとして営業する場合は、個人から依頼されることになるため、紹介や口コミで依頼されることが多いです。ほかにもポスティングや看板、広告なども効果的な営業方法です。
インターネットが苦手でなければ、ホームページやSNSを利用して営業することも検討してみましょう。クロスの貼り替えをどこに頼んでいいかわからない方も多く、一度依頼を受けた顧客からの紹介は効果的な手段になります。
紹介割引を適用したり、仕事が完了したときにさりげなく紹介をお願いしたりすると、あたらしい顧客を獲得しやすいです。
下請けと手間請けの営業方法
下請けと手間請けの営業方法は、業者を探している企業をインターネットで検索したり電話や訪問によるとびこみ営業をしたりして、営業をおこないます。
企業同士をマッチングするプラットフォームもあるため、営業方法のひとつとして活用してみましょう。相手に名前を覚えてもらうために、名刺や自社ホームページを用意しておくこともオススメです。
イベント業界でもクロス屋の案件がある
新築物件の仕事やリフォーム工事だけでなく、イベント業界のクロス貼りの案件もオススメです。新型コロナウイルスによる行動制限が解除されたため、オフラインイベントの開催が増えていてクロス貼りの案件が増えています。
イベント業界のクロス貼りの仕事は、単価が高く長期間の案件が多いです。案件を獲得できれば安定した収入が見込めるため、人気を集めています。ほかの内装工と一緒に作業することもあるので、知識やスキルの意見交換をしたり、あたらしい案件を獲得したりすることも可能です。
プラットフォームの「職人BASE」では、イベント業界の案件も含めて内装業の仕事が掲載されています。興味がある方は無料で登録できるので、イベント業界の案件を探してみませんか。
*参考 職人BASE
まとめ|独立したクロス屋として営業してみよう
この記事ではクロス屋として独立するメリットや注意点、営業方法についてご紹介しました。
クロス屋として独立すれば、高収入を狙えたり休日を自由に設定したりと自分の生き方にあわせた働き方ができます。もちろん自由が大きい分、注意しなければいけない点もあるので確認しておきましょう。
独立したクロス屋としての、営業方法についても解説しました。営業する相手によって営業方法も異なるため、自分の希望する受注方法によって営業に使うツールを変えることがオススメです。