設計は専門的な知識とスキルが求められるため、異業界から未経験で転職は難しいのではないかと思う人も多いでしょう。しかし、設計に関する知識や、転職するためのコツを知っていることで、その状況も大きく変わります。
この記事では、異業界から設計への転職に役立つ情報や転職成功のコツ、オススメの求人サイトなどをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
建築業界における設計の重要性
建築設計は、建築業界にとって重要な役割を担っています。建物の機能性や安全性、美観、さらにはエネルギー効率の最適化まで設計者の力量により完成する建物の質が左右されることが理由です。
また、建物そのものだけではなく建物が建つ自治体の法令に基づき、地域の文化や環境に調和するかどうかを考える必要があります。とくに環境保全を重要視する昨今は、持続可能な建築を推進する基盤ともなっているなど重要性は増しています。建築設計者は深い知識と技術的なスキル、依頼者の要望を形にする創造性を駆使して、人々の生活空間を形作る重要な役割をもつ職業です。
設計には未経験でも転職できるのか
専門的な知識と技術が必要な設計に未経験でも転職することはできるのか、設計を目指そうとしている人は誰もが気になる議題でしょう。その真相を詳しく解説します。
設計には未経験でも就職できる
先に結論をいうと、未経験でも設計に転職することは可能です。その理由として、業界特有の、主に3つの事情が影響しています。
まず、建築業界では人手不足が深刻で、未経験者でも基礎から教育を行う体制が整っている企業が多いことが挙げられます。次に、経験者の採用が難しいことも理由の一つです。キャリアを重ねた設計は独立を選ぶか、企業でも重要なポジションになることが多く、熟練した人材の確保が困難になっています。
また、業界内で人材の高齢化も未経験者採用の背景のひとつです。高齢化による技術継承の問題を解決するため、若手の育成に力を入れている企業が多いのが現状です。これらの理由から、設計においても未経験から募集している企業も多く、未経験者でもスタートしやすい条件が整っているといえます。
未経験の場合、年齢は若い方が有利
設計への未経験転職は可能ですが、できれば若い年齢層のうちに転職を行うことが比較的有利といえます。前述したように、設計業界では若手の長期的なキャリア形成と育成が重視されるためです。
多くの企業では、未経験からでも基本から教育を行う体制を整えていますが、とくに若年層には長期的な育成とキャリアプランを用意している場合があります。また、吸収の早さや新しい技術やトレンドに柔軟に対応できるなどの理由も企業が若い人材を好んで採用する理由のひとつです。
さまざまな要因で転職に中々踏み出せない方も多いですが、転職を先延ばしにして転機を逃してしまうこともあります。設計においても転職を考えた際は、早めに行動することがオススメです。
設計に向いている人の特徴
次に設計に向いている人には共通する特徴があります。その主な特徴は以下の4点です。
- 建築物に関心がある人
- 自身でスケジュール管理ができる人
- 1から何かをつくるのが好きな人
- コミュニケーション能力が高い人
それぞれの特徴を詳しくご説明します。
建築物に関心がある人
設計への適性として、建築物に対する深い関心があることは重要な特徴です。建築設計に携わる者として新築の建物だけでなく、歴史ある建造物やその構造にも興味を抱くことで、人と違った見方や見識、創造力が養われるためです。
建築物に関心がある人は、日々の何気ない観察からもインスピレーションを受け、アイデアを設計に活かすことができます。また、建築に関する知識やトレンドへの理解も深まり、実践的なスキルを発揮する基盤ともなります。
自身でスケジュール管理ができる人
設計は自身のスケジュール管理能力も非常に重要で、これを得意とする方は設計に向いているといえます。
基本的に設計者は複数のプロジェクトを同時に進行させることが一般的で、各プロジェクトの進捗や締切を正確に把握し、適切に対応することを求められます。机上で構造を考え設計して終わりではなく、各申請関連も期日までに終わらせないといけないため、効率的なスケジューリングができる人は設計に適しているといえます。
1から何かをつくるのが好きな人
設計はクリエイティブな職種のため、ゼロから何かを創り出す熱意があることも向いている人の特徴といえます。依頼者の要望は頭の中で思い浮かべているだけの形のない「潜在的」なものです。
それを「顕在的」なものとして形にするため、既存の知識と新しいアイデアを組み合わせ、具体的な設計へと落とし込むことが求められます。したがって、ゼロからアイデアを生み出して具現化することに情熱を感じる人は、設計に向いているといえます。
コミュニケーション能力が高い人
設計者は、高いコミュニケーション能力も求められます。机でソフトと向かい合うだけではなく、クライアントや現場、チームメンバーと協力しないといけないため、自分の考えを正確に伝え、相手の考えをしっかり理解するコミュニケーション能力が必要となります。
また、コミュニケーションが得意な人は、チーム内での役割や対外的な交渉もスムーズに行えるため、設計において大きなアドバンテージとなります。
設計への転職成功のコツ
設計においても転職を成功させるコツがあり、それが以下の4点です。
- 設計への強い熱意を伝える
- 未経験ながらも知識をつけて面接に挑む
- 資格を取得する
- 応募条件がゆるすぎる企業は選ばない
それぞれ詳しく解説します。
設計への強い熱意を伝える
未経験から設計へ転職する場合、強い熱意を面接時に伝えることも転職成功のコツです。しかし、「設計が好きだから」という一般的な答えだけでは不十分です。
その不十分を埋めるためにも、なぜ設計を選び、その道で何を成し遂げたいのか具体的な理由や将来のビジョンを明確に示すことが重要です。また、設計に関する知識や興味を深めるために行った自己学習の内容や、好きな建築家の本なども共有してみましょう。これにより、設計に対する真剣な取り組みを評価されやすくなります。
未経験ながらも知識をつけて面接に挑む
未経験から設計に転職する場合、関連知識の習得は非常に重要です。面接前には簡単でもいいので、設計の基礎的な知識や構造の名称、応募先企業の建築に対する強みなどを学び、それを面接でアピールすることが転職成功のコツです。また、設計に関連する最新のトレンドや業界の動向についても調べ、情報に精通していることを示すことも自分で情報を集めることができる点を評価されやすくなります。
資格を取得する
建築業界への転職では、資格の保有も大きなアドバンテージとなります。とくに建築士の資格は設計において非常に重要なため、所有していることは転職成功に限りなく近づけることができます。
また、建築士の資格は転職での成功率を高めるだけでなく、就職後のキャリアアップにも大きく関わるため、転職からその後のキャリア形成まで考えた最良の方法といえます。しかし、建築士の資格は関連する学校に通っていることなどの受験資格があるため、業界だけでなく建築自体に関わりがなかった方には厳しいでしょう。一部設計の知識も必要な「宅地建物取引士」などの受験に条件のない資格を取得することも有効です。
応募条件がゆるすぎる企業は選ばない
転職時、条件が甘すぎる企業には注意が必要です。過度にゆるい応募条件は、その企業が労働環境などに問題があり、常に人手不足である可能性が高いです。
そのため、応募前には必ず企業の評判や退職率を調査し、現在および元従業員の口コミを確認し、実際の職場環境を把握することが、満足いく転職をするためのコツです。ゆるすぎる条件のオファーはハードルが低く魅力的に見えるかもしれませんが、長期的なキャリアを考える際には慎重な判断が求められます。
設計への転職にオススメの求人サイト4選
ここで、設計へ転職する際に利用して欲しい求人サイトを4つご紹介します。建築業界により特化した求人サイトもありますので、転職の際の参考にしてください。
A-worker
「A-worker」は建築設計者向けの求人サイトで、自分に合った建築設計事務所を探している方に特化した求人を集めています。A-workerでは、建築士や設計アシスタントなど経験者から未経験者までどのような立場の方でも求人を探すことができます。
また、利用者が直接企業と対話できる「話がしたい」機能も提供されており、個別の相談が可能なので、より自分の希望に近い企業とのマッチングができます。求人情報は労働基準法に則ったもののみ掲載されているため、安心して応募できる環境が整っている求人サイトです。
*参考 A-worker
求人@インテリアデザイン
「求人@インテリアデザイン」はインテリアデザイン、施工管理、設計業界に特化した求人転職サイトです。住宅会社やディスプレイデザイン会社、設計会社など幅広い業界からの求人を提供していて、建築設計関連の求人も数多く掲載されています。
利用者は地域や雇用形態、未経験者OKなど、自分に合った条件で簡単に求人を探すことができるため、非常に利用しやすいのが特徴です。さらに、インテリアお仕事マガジンを通じて、設計業界への転職に役立つ情報も提供されており、転職活動に必要な知識を深めることができます。
*参考 求人@インテリアデザイン
ジョブリー建設
「ジョブリー建設」は建設業界に特化した転職支援サービスを提供するエージェントサイトです。施工管理技士や建築士などの専門職を中心に、業界の人材不足を解消し活性化を目指しています。
個々の求職者に合わせたキャリアパートナーが一貫してサポートを行うことで、企業との考えのすれ違いや希望と違った条件で入社してしまうことを防ぎます。また、建設業に関する豊富な案件を扱っており、内定まで徹底的に支援する体制が整っているので、建設業界への転職やキャリアアップを考えている方にはとくにオススメのサイトです。
*参考 ジョブリー建設
建築求人.jp
「建築求人.jp」は建築・建設業界に特化した求人エージェントサイトです。教育支援体制が整っており、未経験者からベテランまで、幅広いキャリアレベルの技術者に対応しています。
建築求人.jpでは、多様な勤務地やプロジェクト規模の求人を扱っており、希望に合った職場を見つけやすいこと、また非公開求人も多数扱っており、個々のニーズに合わせたキャリアプランニングのサポートが受けられる点が強みです。
*参考 建築求人.jp
設計者になればイベント業界でも活躍できる
設計は建築業界で活躍する姿を主に思い浮かべるかと思いますが、実は展示会やイベント業界でも活躍していることをご存知でしょうか。
イベント業界では、クライアントとの打ち合わせから展開図・平面図プランを作成し、施工現場に具体的な指示を出す業務までを行います。イベントが成功するかどうかがかかった業務のため、設計は非常に重要な役割を担っているといえます。
設計への転職をしてスキルを磨いた後、個人でも案件を獲得していきたいと考えているなら、無料で登録して求人や案件を効率的に探せる「職人BASE」を活用することがオススメです。
職人BASEは、展示会やイベント業界の企業と、スキルを活かしたい職人をつなぐサービスです。
豊富な検索項目から新たな取引先や、自分に合った求人/案件を探すことができます。LINE登録することで最新情報が届くため、今の仕事をしながらでも効率的に案件を探すことができます。「職人BASE」をうまく活用し、展示会、イベント業界で活躍しましょう。
*参考 職人BASE
まとめ|設計へ転職するためのコツをとりいれよう
設計は未経験でも転職できること、そして転職成功のためのコツやオススメの求人サイトなどをご紹介しました。設計は専門的な知識や技術がないと転職できないかと思われがちですが、今は未経験からでも転職しやすい条件が整っています。設計に転職したいと考えている方は、この記事を参考に設計への一歩を踏み出しましょう。