イベントスタッフの仕事はイベントの影の立役者です。コンサートだけでなく、デパートの催事やスポーツイベントなど盛り上がるイベントは数多くあり、参加した人が楽しめるかどうかはイベントスタッフにかかっています。
この仕事にやりがいを感じる人は少なくありません。しかし、仕事となると収入面も気になります。イベントスタッフの実際の年収はいくらなのでしょうか。将来性はあるのでしょうか。仕事内容と合わせて調ベてみました。
目次
イベントスタッフの仕事内容は？
まずイベントスタッフの仕事内容について考えてみましょう。イベントと一口に言っても、多種多様なイベントがあり、アーティストのライブやコンサート、野外フェス、スポーツの試合などが想像されるかもしれません。
実際はそれだけでなく、デパートで開催されるヒーローショー、漫画やアニメの展示会、住宅展示場などのイベント、官公庁が主催する式典や祭典なども含まれます。
これだけ考えても裏方の仕事の大変さがわかりますよね。その分仕事内容も多岐にわたっています。メインの仕事をいくつか考えてみましょう。
設営
まずはイベント前に会場の設営をする必要があります。会場設営するために、客席の準備やグッズ販売場所の設置、案内板の設置などが必要です。
イベントに使用する音響や照明などの設備の運搬という仕事もあります。出演者の荷物の運び込みなども大事な仕事です。
設営とは、何もない会場からイベント会場へと作り変える大掛かりな仕事です。もちろん設営した後には撤収も必要になるため、イベントスタッフは解体や清掃もしなければなりません。
誘導
イベントに参加する人のために、適切に誘導することという仕事があります。入退場の時だけでなく、列の整理や席の案内なども誘導の大切な仕事です。
イベントによっては迷子対応を求められたり、トイレの場所を聞かれたり、困った時の誘導や対応も必要になってくるでしょう。グッズの販売などで混乱が起きないように誘導するには、的確な指示や迅速な対応が求められます。
イベントによってはチケット販売をしたり、チケットを持ってきた人に案件を返すチケットもぎりを行ったりすることがあります。
警備
大人数の人が行き交うイベントで、混乱が起きないようにするのもイベントスタッフの役割です。とくに不特定多数の人が出入りするイベント会場では、不審者や不審物への警戒が必要になってきます。イベントを安全に開催するために欠かせない業務です。
トラブル対応の際の手際のよさなど、求められる資質も数多くあることでしょう。危ないことをしている人に注意喚起することも大切な役割です。荷物預かりなどのクローク業務もあります。
販売
イベントでのグッズ等の販売も大切な仕事です。また、販売だけでなく、在庫の管理や呼び込みなどもしなければなりません。
忙しい中でも手際よく作業したり、お釣りの計算を間違えないようにしたりするのは非常に大変な業務と言えるでしょう。
イベントスタッフの年収はいくら？
それでは次に、仕事内容が多岐にわたるイベントスタッフの年収はいくらなのかについて考えてみることにしましょう。
求人などを見ると、イベントスタッフはアルバイトや単発での仕事の求人も多くあることがわかります。イベントスタッフのアルバイトの時給や日当での相場がいくらとなるかも一緒に見てみましょう。
イベントスタッフの平均年収
まずはイベントスタッフの平均年収です。イベントスタッフの平均年収は約370万円です。月給に換算すると約31万円となります。
正社員の給与の幅は300万円台から1000万円台と広いため、イベント会社の勤務先や経験などによって年収にかなりの差があることがわかります。
＊参考 求人ボックス給料ナビ
単発イベントスタッフの時給
単発でイベントスタッフのアルバイトをする場合、時給の平均は1500円です。コロナの影響でイベントの縮小が続いていましたが、近年ようやく大きなイベントも開催できるようになり、時給の上昇も見受けられます。
＊参考 WorkJump
日当での相場
イベントスタッフの仕事は、土日や祝日に集中することが多いです。また半日から1日など時間帯もさまざまです。1日働いた場合、時給1500円だと8時間で12000円になります。
求人を見ると、日当8000円から1万5000円ぐらいの幅がありそうです。日当1万円が相場という感じでしょう。
特別な経験でもあるイベントスタッフでの単発バイトは、学生や若い人に人気があります。やりがいや達成感を味わうこともできるでしょう。
イベントスタッフに向いている人の特徴とは？
イベントスタッフの仕事に向いている人はどのような人でしょうか。どのような人が求められているかも含めて考えてみましょう。
柔軟な対応力がある
大勢の不特定多数の人が出入りするイベントでは、不測の事態が起こる可能性も少なくありません。そのような状況の中でも冷静に落ち着いて、臨機応変に対応する柔軟な対応力が欠かせません。
イベントスタッフの仕事は多岐にわたるため、その日に何の仕事をするのかが決まる場合も少なくないので、瞬時に割り当てられた仕事をする対応力も必要です。現場ごとでやり方が変わるという場合も少なくありません。
人と接するのが好き
コミュニケーションスキルと言い換えることもできるかもしれませんが、来場者への接客やスムーズな誘導には、楽しませたいという思いが必要です。
イベントの運営や設営でもほぼすべての仕事が、誰かと関わる仕事です。接客だけでなくスタッフ同士でもコミュニケーションを取る必要があるので、人と接するのが好きという人に向いています。
協調性がある
大勢の人が関わる組織的な仕事なので、個人の主張するだけでなく相手に合わせる協調性も必要になってきます。
みんなで一つのものを作り上げるという素晴らしい仕事なので、自分のやり方に固執するのではなく、すすんで譲る精神も必要でしょう。喜んで助け合う、そういった精神がイベントスタッフには必要不可欠です。
体力がある
イベントの始まる前後から力仕事のため、体力は欠かせません。イベントは、進行や季節を選ばずに開催される場合が多いので、健康であることも求められます。
決められた服装があって体温調節が難しいこともあります。立ちっぱなしで1日過ごすことも少なくありません。休憩時間にしっかり身体を休めるなど自己管理も必要になってきます。
イベントスタッフはさまざまなスキルが身につく
イベントスタッフはいろいろな仕事を行うため、将来役立つさまざまなスキルを身につけられます。具体的には以下のようなものがあります。
- 接客スキル
- 警備スキル
- 組織スキル
それぞれ詳しく見ていきます。
接客スキル
イベントスタッフとしてグッズ販売に携わると、接客や販売のスキルを身につけられます。大勢の人がいる中で接客するのは非常に大変です。
大きな声ではっきりと話したり、受け渡しの手違いなどがないように確認したりするなどの接客スキルが身につきます。
1日で何人もの人と話すので、その対応力はかなりのスキルと言えるでしょう。正しい敬語や言葉遣いが身につくこともあるかもしれません。
警備スキル
大勢の人を誘導したり、トラブル対応をしたりするのは警備員や誘導員としてのスキルにつながります。経験を積んでくるとさまざまなトラブルやクレームなどに対処する経験が身につきます。
イベント中に事故が起こらないように安全な進行管理を行うというスキルも身につけられるでしょう。
組織スキル
正社員の人は、単発バイトなどの短期労働者に指示や指導を与えなくてはなりません。働く人を動かすというマネジメント能力を身につけられます。
指示の与え方によって、効率的に働いてもらったりモチベーションを高く持ってもらえるたりするなどの違いを経験することもできるでしょう。
イベントの裏側を知ることで、表からは見えない業務の全体の流れや運営に関する知識も身につけられます。
年収の高いイベントスタッフになるには？
イベントスタッフは様々なスキルを身につけることができる反面、それだけ多様なスキルを求められることになります。先ほども示した通り、イベントスタッフの年収にはかなりのばらつきがあり、スキルや経験によって年収も変わってきます。
ここでは、年収の高いイベントスタッフになるための方法をご紹介します。
マネジメントをする立場になる
イベントのディレクターやプロデューサーなどのキャリアアップを目指すことで年収を増やせます。
イベントの企画を行ったり、予算などを管理しつつ制作チームを取りまとめる仕事を行ったりするようになると、それに伴って責任が増え収入もアップするのです。
クライアントと交渉することもあるので、企画力やコミュニケーションスキルも求められてくるでしょう。経験を積むために、若いうちからイベントスタッフの仕事を行っている人が多いようです。
イベントプランナーになる
イベントプランナーに特別な資格があるわけではありませんが、イベントの企画、準備、運営を行う仕事をします。イベントプランナーはそのイベントにおける最高責任者です。
最初の立ち上げからイベントに携わることになり、そのイベントにとって欠かせない中心的な役割を担います。大きなイベントに関われば関わるほど年収は大きくアップします。
イベント開催を支える人材を目指す
実際にイベントを計画する側に立つと、このイベントには他にもいろいろな職人さんがいることがわかります。設営を企画するのはイベントスタッフですが、音響やステージ設営など、専門的な技術を持った職人さんたちと働く機会も多くあります。
イベントスタッフとして働くうちに、その中でもどこの分野にとりわけ興味があるか分かってくるかもしれません。そのために登録しておきたいのが職人BASEです。
職人BASEは、イベントに携わる求職者と企業をつなぐプラットフォームです。イベントスタッフとして働きながら、特殊な技能や経験を持つ人材を目指すというのも年収アップの一つの方法です。
＊参考 職人BASE
まとめ｜イベントスタッフは接客業の中でも高年収！スキル習得で年収アップ！
イベントスタッフは、ショップ店員などの接客業に比べても収入が多い仕事です。いろいろな仕事をこなす必要があり、かなりの体力も求められます。
しかしその分達成感ややりがいも感じられるでしょう。はじめは単発バイトから始まった人も、イベント会社に就職するなどして生涯の仕事とする人も少なくありません。
経験やスキルを積んで、認証アップを目指せます。世界規模で行われる大きなイベントを手掛ける目標を持つのもよいですね。
