通訳は世界で通用する職業であるため、憧れを抱いている方も多いことでしょう。言語のスキルは一朝一夕では身につけられませんが、外国語を自由に操れるなら目指したいのは通訳の仕事です。
通訳の仕事とは実際にはどのようなものか、流暢に外国語を話せる以外に必要なスキルがあるかなど、通訳の仕事に転職したい方に向けて必要な情報を解説します。
目次
通訳の仕事内容とは?
まずは通訳の仕事について考えてみましょう。通訳の仕事は、違う言語を話す方たちを、スムーズにコミュニケーションが取れるよう仲介することです。言語の壁を感じないくらいの自然な会話には通訳が欠かせません。
あまり知られていませんが、通訳の仕事にはいくつかのスタイルがあります。
- ビジネス通訳
- エンターテインメント通訳
- コミュニティ通訳
- 通訳ガイド
これらの通訳が具体的にどのようなものなのか一つひとつ見ていきましょう。
ビジネス通訳
ビジネス通訳とは、商談や会議などのビジネスにおけるやり取りで通訳を行うことです。商談通訳者とも呼ばれます。
ビジネスにおいて意思の疎通は必要不可欠で、相手の意見を正確に聞き取り、自身の主張をはっきり伝えることが非常に重要です。そのため、通訳スキルが鍵になります。
ビジネスにおいて専門用語が多く使われるため、ビジネスパーソンらしい考え方も必要になります。近年、ビジネスはグローバル化しているため、大変重要な役割となるでしょう。大きな商談では、通訳の質が問われ、ビジネスの成功に影響を与えることもあるため、非常に重要な仕事といえます。
エンターテインメント通訳
エンターテインメント通訳はエスコート通訳とも呼ばれ、スポーツ選手やハリウッドスターなどの著名人と同行し、インタビューや記者会見イベントなどの場で通訳をおこなう仕事です。海外から来日した著名人と一緒に通訳者が行動している姿を目にしたことがあるかもしれません。
和気あいあいとした雰囲気で通訳ができるように、著名人と親しい人が起用されたり、なんらかの関わりがある通訳者が起用されることが多い仕事です。著名人と同様に通訳者がメディアに知られることもあります。
コミュニティ通訳
コミュニティ通訳とは、学校や医療行政などの分野で日本に住む外国人が日本語での説明を理解できるようにサポートする仕事です。
在日外国人にとって行政上の手続きは非常に難しく、言語でのサポートが必要とされます。日本人にとって複雑な手続きでもあるため、専門の知識がある人が通訳できると心強いです。
実際には病院や役所などに専門的な立場として配置されている場合は少なく、言語ができる職員が配属されている場合が多いのが現状です。海外からの移住者も増えていくことが予想されているので、今後も需要のある仕事といえます。
通訳ガイド
通訳ガイドとは、外国から日本に観光に来た方に対して、通訳だけでなくガイドもおこなう仕事です。通訳案内業と呼ばれることもあります。
相手の言葉を理解するだけでなく、観光案内ができる知識も必要になります。観光地の歴史や文化などの観光客向けの専門用語や、相手が楽しめるように伝えるスキルも必要です。
通訳ガイドによって外国人が日本での観光を楽しめるかどうか変わるため、外国人受けする通訳は非常に人気が出ます。日本に関する知識も必要です。外国人への気遣いも通訳の仕事に含まれます。
通訳ガイドとして仕事をするには、国家資格である通訳案内士の資格が必要であり、各都道府県へ通訳ガイドとして登録することが必要です。
通訳に必要なスキルとは?
では次に、通訳者として必要なスキルについて考えることにしましょう。人と人とをつなぐ仕事である通訳は、言語能力以上に大切なスキルがあります。
通訳になりたいと思っている方であれば、これらのスキルを磨くことを意識するでしょう。
コミュニケーションスキル
まず大切なスキルはコミュニケーションスキルです。通訳者は仲介者としてコミュニケーションの架け橋になります。そのため、通訳者自身に高いコミュニケーションスキルが求められます。
相手が何を言いたいのかを言葉からだけでなく、表情や口調から判断したり、相手の背後にどのような思いがあるのかを洞察することが重要です。また、どのような言葉が相手に伝わりやすいのかなどを考えることも重要なスキルのひとつです。
文脈通り正確に訳せていたとしても、相手が理解しにくいことがあるかもしれません。はっきりとした声でわかりやすい表現で通訳できることと、高いコミュニケーション能力を身につける必要があります。
柔軟性や適応力
通訳をおこなう場合には、事前に必要な情報を集め、十分な準備をおこなうことが望ましいでしょう。どのような話題になるか、相手はどのような立場なのかなどについて調べ、良い通訳ができるように努めることが必要です。
しかし、実際に会話が始まると予想外の展開になることも少なくありません。通訳者が準備していた方向ではない話題に進む場合、柔軟性を持って対応していく必要があります。
冷静に判断する適応力も必要です。話している言語を即座に日本語に翻訳するため、集中力を保ってより自然な表現に訳し続ける必要があります。頭の中で考える時間がない中で、その場に合わせた通訳ができる柔軟な発想が不可欠です。
また、仕事内容によっては海外に移動したり、慣れない場所に行くこともあるため、適応力も重要になってきます。さらに、少し苦手なタイプの方の通訳をすることもあるでしょう。そのような時に、笑顔で仕事ができることも大切です。
日本語力
日本語は非常に難しい言語です。表現ひとつでニュアンスが変わってしまうこともあります。そのため、外国語を学ぶ時には日本語表現力も学ぶことが重要です。
ビジネスなど商談の場と、和気藹々とした雰囲気の場所とでは違う言い回しの方が良い場合もあります。言葉の選択肢を広げられるように日本語力を磨くことは、通訳者として欠かせないことです。
幅広い知識も必要になります。それに伴って、あらゆる分野で学び続けることも大切になってくるでしょう。日本語力を高めるために何事も好奇心を持って取り組めるスキルも非常に大切です。
体力
通訳には体力も必要です。頭をフル回転させながら、クライアントのスケジュールに正確に合わせて動かなければなりません。そのためには、オンオフをうまく切り替えられるスキルや、休む時に確実に休めるスキルも重要です。
初対面の方と、慣れない環境で笑顔で明るく言葉を発するために、体力も欠かせません。
未経験でも通訳の求人はある?
数々のスキルが求められる通訳の仕事には、未経験でも求人はあるのでしょうか。結論からいうとあります。もちろん未経験で大きな仕事をすることは難しいかもしれません。しかし、通訳は社会で経験を積んだ方が転職することの多い仕事です。
誰もが未経験から始める仕事であるため、通訳として経験が浅くても仕事をすることは可能です。
資格をアピールする
通訳に資格はありません。そのため、経験や実績があると仕事を見つけやすいです。未経験の場合、通訳者として持っていると良いスキルがあると、転職できる可能性が上がります。
未経験であっても、十分な語学力やスキルをはじめ、資格所持をアピールすることによって示せます。通訳者として持っていると良い資格をいくつか考えてみましょう。
海外留学経験
海外留学経験など、生の外国語に触れた経験があることはアピールポイントになります。座学で学ぶだけでなく、現地の外国語に触れてきたことは非常に強みになるでしょう。
実際に生活することでわかる文化や風習を肌で感じてきた経験は、通訳に役立つからです。表現力の豊かさや自然さがあることもアピールできるでしょう。
TOEICなどの検定スコア
TOEICなどの検定スコアは、どれほどの英語力を持っているかアピールするのに役立ちます。TOEICは世界中で実施されていて、知名度、仁王とともに高いものになっています。
TOEICのスコアが高ければ、それだけ高い語学力を持っていることを証明でき、アピールポイントになるでしょう。
また、TOBISという企業などのビジネスに関する語学力を表す検定もあります。この資格があるとビジネス向けの通訳がどれほどできるかアピールできます。ビジネス系の通訳の求人にはこの資格が生かせるでしょう。
簡単な仕事を受けてみる
より大きな通訳の仕事をするには経験を積むことが重要になってきます。そのために、クラウドソーシングで簡単な案件にチャレンジしてみることも重要です。通訳の仕事を始めると、自分をさらに磨けるスキルを発見したり、自分の強みや弱みも見つけられるでしょう。
何より実績を積めるため、それらは実務経験としてアピールできるようになります。まずは短期間の案件やスポットでの仕事を見つけてみてください。
職人BASEならイベント業界の案件を探せる
職人BASEは、イベント業界の企業と職人をつないでくれるプラットフォームです。イベントには、数々の職人たちが携わっていて、この中には通訳の仕事もあります。
- 展示会
- ゲームショー
- 企業の販売キャンペーン
などイベント関連の業務は多くあり、外国人ゲストのためにナレーターや受付などの通訳業務も必要です。
通訳の案件を職人BASEで探し、それをきっかけに企業からのスカウトがもらえる可能性もあります。職人BASEに登録すれば、経験を積んだり仕事を見つけたりすることが可能であるため、ぜひ登録してみてください。
*参考 職人BASE
まとめ|未経験から通訳に転職するなら、スキルを磨いて経験を積もう!
通訳は人と人をつなぐ大切な仕事であるため、非常にやりがいがあります。通訳は外国語のスキルだけでなく、日本語の奥深さや文化を学ぶきっかけにもなります。大変な仕事ですが、これからの日本にも必要な仕事です。
通訳には特定の資格があるわけではないため、経験を積むことが重要です。そのために簡単な案件をクラウドソーシングを活用して見つけたり、職人BASEに登録して仕事を探してみると良いでしょう。