「内装業は仕事がない」という話を耳にすることがありますが、実際のところはどうなのでしょうか。内装業は独立も視野に入る職種であることから、この業界で手に職をつけたい方にとっては、実情が気になるところでしょう。
この記事では、内装業の仕事内容や業界の情勢、将来性などを鑑みて、内装業の仕事の実情を探り、本当に「仕事がない」かの真相と内装業の魅力などを解説します。
今後内装業に就きたい方や、すでに内装業に就いていて独立も視野に入れている方などに役立つ情報が書いてありますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
内装業はどんな仕事?
内装業とはどのような仕事なのでしょうか。今後内装業に就くことを視野に入れている方にとっては知っておきたい知識です。ここでは、内装業の仕事内容や業界の平均的な収入に関する話、内装業に必要なスキルなどを詳しく解説していきます。
内装業の仕事内容
内装業は、建築作業の仕上げにあたる内装工事を手がける職人です。建物の内装や雰囲気に影響するため、非常に重要な業種となります。
内装仕上げには、
- 床・壁・天井仕上げ
- 下地のボード張り
- クロス張り
- 塗装仕上げ
- 鋼製下地組立(軽鉄工事)
- 木製建具
- 家具工事
など、多様な作業が含まれます。
たとえば、床仕上げではカーペットやタイルなどの床材を床面にはめ込み、天井仕上げでは石膏ボードや板を張ります。また、壁や天井にクロスを張る作業では、細かい技術が求められます。これらの作業は、建物の快適な空間づくりに不可欠であり、内装工の技術が求められる場です。
内装工の仕事は、多様な専門領域に分かれており、一つの分野を専門とする職人もいれば、複数の作業をこなす多能工もいます。どの作業も、建物全体のクオリティや内部の雰囲気に大きく影響するため、豊富な経験と高いスキルが求められます。
内装業の収入
内装業に従事する人の収入は、技術レベル、経験の長さ、勤務する地域、そして内装業の中でも仕事の種類によっても大きく異なります。日本国内での内装工の平均年収は、およそ433.7万円とされています。
この年収額は建築関連の他職種と比べても、比較的高いと言えるでしょう。ただしこの数値は中央値ではなく、あくまで平均値であるため、個人のキャリアやスキルによっても収入に幅があります。
自ら内装屋として独立する場合、収入の伸びしろはさらに大きくなる可能性もあります。直接請け負うので、固定費や変動費などを差し引いた額が純粋に収入として入ります。より規模が大きなプロジェクトを受注できた場合は、収入の増加も期待できるでしょう。
しかし、独立にはそれなりのリスクも伴います。成功するためには、技術力はもちろん、顧客との良好な関係や営業スキル、市場の動向への理解が不可欠です。
内装業に必要なスキル
内装業は未経験からでも就きやすい職業ではありますが、専門性が高いため、一人前に現場を任されたり独立して仕事をもらったりするためには、特定のスキルと経験が必要になります。
内装工作業は多岐にわたるため、床材の取り付け、壁や天井の仕上げ、塗装など、さまざまな技術を習得することが重要です。内装業として建物の内部空間を図面や仕様書通りに仕上げるために必要不可欠です。また細かい作業が多いため、手先の器用さや細部にまで注意を払う繊細さと気遣い、仕上げる腕が求められます。
さらに、インテリアデザインに関する知識も役立ちます。顧客の要望に応じたデザイン提案ができると、より多くの案件を獲得することが可能になります。
また、チームワークも重要なスキルです。多くの内装工事は複数の職人が協力して行うため、施工を最後まで円滑に行うためのコミュニケーションと協調性が求められます。
これらのスキルは、高い品質の仕事を提供し、顧客満足度を高めるために不可欠です。経験を積みスキルを磨き、内装業界で成功するため自分の価値を高めましょう。
「内装業は仕事がない」は本当?
「内装業は仕事がないのか」と、これから内装業に勤める方や独立を考えている方の誰もが気になるところでしょう。内装業の将来性や、職業内容を鑑みて替えがきいたり無くなることがあるのかどうかなどに着目し、解説していきます。
内装業の将来性
結論から言うと、内装業の将来性は非常に明るいと言えます。
現代の住宅市場では、新築住宅だけではなく中古住宅のリフォーム需要が増加しており、これに伴い内装工事の需要も高まっています。また、建物の経年劣化に伴い、クロスや床材の張り替えなどの内装工事が定期的に必要となるため、安定した仕事が見込めます。
最近ではDIYが認知され、自分で内装を手がける人も増えてはいますが、それでも簡単にできないスキルや専門的な工具が必要となる場面ではプロが必要になります。内装業は今後も仕事が極端に減ることのない将来性のある業種だと言えます。
内装業は替えがきかない職種
内装業はその特性上、AIや機械による自動化が難しい職種です。内装工事には、細かい手作業や独自の研鑽された技術が必要であり、人間特有の技能と判断力に依存しています。
たとえば、クロスの張り方や塗装の仕上げ、材料の選定などは、現場の状況に応じて柔軟に対応する必要があり、機械では再現できない気配りや配慮、芸術性と繊細さを要求されます。
さらに、内装業は顧客の個別の要望に応じたカスタマイズが求められることが多く、AIや機械では対応が難しい部分です。顧客の理想とする空間を実現するためには、職人の経験と想像力、顧客の要望を的確に把握する能力が不可欠であり、これが内装業が替えがきかない職種である理由です。
このように、内装業は今後も人の手による技術が重要とされ続けるでしょう。
実は案件が多くある
内装業は、実際には多くの案件が存在している業種です。新築の建物やリフォームの案件は想像に容易いですが、入れ替わりの多い商業施設の内装変更や、イベント業界の展示会や内覧会の設営など、さまざまな案件が存在します。
とくに、都市部ではビルやマンション、店舗などの建設や改装が絶えず行われているため、内装業の専門技術が不可欠です。
また、前述したようにAIや機械による自動化が難しい職種であることから、自ずと内装業のスキルがある職人に案件が回ってきます。結論として内装業は、スキルを磨き、信用を得られると案件が多い業種であると言えます。
内装業の集客戦略とは
内装業として独立した場合、案件を獲得するためにどのような集客戦略が考えられるでしょうか。主な集客方法として5点をピックアップし、それぞれどのような戦略をもって取り組むべきかを詳しく解説していきます。
業者への営業
集客戦略として一番に頭に浮かぶのは、やはり業者への営業でしょう。主に建築会社や不動産会社、リフォーム業者などへ、電話営業や直接訪問で関係を築きます。
効果的な営業活動としては、営業先の業者の情報を事前に取得し、その業者のニーズを理解し、自分のスキルや経験がどのように応えられるかを明確に伝えることが必要です。
案件獲得後は依頼された仕事を完遂し、プラスアルファで業者にとって有益になることを考え、実践しましょう。たとえば、工期(工事期間)予定よりも早めに終わらせる、人手不足で困っている業種の下請業者仲間を紹介するなどです。信頼を得て長期的な関係を築き、継続的な仕事の流れを確保することで、安定した収入源を生み出すことが可能になります。
チラシ・ポスティング
チラシ・ポスティングは、地域密着型の集客戦略として非常に効果的ですので、真っ先に取り入れたい手法のひとつです。地元の住宅会社や不動産、リフォーム業者へのポスティングのほか、少し年数が経っている一軒家へのポスティングも、リフォームを直接受注するのに有効です。
チラシのデザインは、地元の印刷会社のほか、Webで低価格で依頼できるサービスもありますので、積極的に使用しましょう。内容は、サービスの特徴や強みを明確に伝えることが重要です。特別なプロモーションや割引、成功事例の紹介など、読者の関心を引く内容を盛り込むことも効果を高めます。
Webサイト
スマホやパソコンで調べたり検索をすることが身近になっている今、Webサイトの活用は集客戦略の中核を成す要素です。ターゲットが企業であれ一般消費者であれ、情報収集はインターネットで行う現代では、Webサイトは企業の「オンライン看板」の役割を果たし、潜在顧客に対して信頼性と専門性をアピールする重要なツールとなります。
Webサイトを効果的に活用するためには、以下のポイントが重要です。
- 魅力的なデザインと直感的なナビゲーション
訪問者が求める情報を簡単に見つけられるように、使いやすいデザインと構造のサイトにしましょう。
- 詳細なサービス説明とポートフォリオ
詳細なサービス内容や過去の施工事例写真などを掲載し、技術力と経験を示しましょう。
- SEO(検索エンジン最適化)
検索エンジンで上位表示されたサイトが、ユーザーの流入数を高めます。そのための対策がSEOで、キーワード最適化や定期的なコンテンツ更新が重要です。
- 問い合わせフォームや見積もりツール
顧客が簡単に連絡できるように問い合わせフォームの設置は必須です。また、予算上可能であればオンライン見積もりシステムを設置すると、問い合わせの増加につながります。
これらの要素を取り入れることで、内装業のWebサイトは潜在顧客に対して企業の価値を効果的に伝え、新規顧客の獲得に貢献します。
SNS
SNSの活用はWebサイト同様、現代の集客戦略として非常に効果的です。SNSを通じて工事風景や完成写真を定期的にアップすることで、信頼性や技術力のアピールができ、とくにデザイン性に優れた作業の場合その写真自体が強力な宣伝ツールになり得ます。
SNSには、「Facebook」「X(旧Twitter)」「Instagram」などの主要なSNSプラットフォームが存在します。可能であればすべてのSNSを利用することをオススメします。理由としては、それぞれがターゲットとしているさまざまな層のユーザーに情報を届けることができるためです。
SNSは無料で始められるので、コスト効率の良いマーケティング活動です。定期的な投稿でフォロワーを増やし、長期的に見た集客戦略が実現できます。
内装業は今、イベント業界に求められている
コロナウイルスの影響が緩和され社会活動が再開される中で、イベント業界は急速に活気を取り戻しています。展示会や各種イベントの増加に伴い、イベント会場の設営やデザインにおいて内装業の専門技術が求められています。
この需要の高まりは多くの求人サイトにも反映されており、イベント設営のための内装業に特化した求人が増加しています。
このように、イベント業界の復興は内装業に新たな機会を提供しており、その専門性と技術が今後も引き続き高い需要を持つことが予想されます。
イベント業界の仕事を効率的に獲得しよう
案件を獲得したい、もっと自分の腕で稼ぎたいと考えている方は、前述したように展示会・イベント業界の仕事をターゲットにして効率的に獲得していきましょう。
仕事を効率的に獲得するツールとして今注目されているのが「職人BASE」です。職人BASEは、イベント業界の企業と職人をつなぐプラットフォームで、職人が自分に合った案件を見つけ、発注企業と直接話し合い、受注できます。
プロフィールを通じてスカウトを受けることもあり、新規の取引先との長期的な関係を築くこともできます。
登録は無料ですので、気軽に登録できる「職人BASE」をうまく活用し、案件獲得を目指しましょう。
*参考 職人BASE
まとめ|内装業の仕事を得る方法を知り、実践しよう!
内装業は、建築・リフォームからイベント業界まで幅広い分野で重要な役割を果たしています。将来性も高く案件も多い業界ではありますが、絶えず案件を獲得するためには、記事で書いたような集客戦略や案件獲得のために行動することが鍵です。
また効率的に案件を獲得するために、「職人BASE」のようなプラットフォームの活用も視野に入れましょう。これらの方法を理解、実践することで、内装業での成功が期待できます。内装業の仕事を得るために、今すぐできることを始めましょう。