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とび職への転職|仕事内容や転職のメリット、役立つ資格を解説

とび職への興味があり転職を考えてはいても、一歩踏み出す前にはさまざまな不安や疑問が浮かんでくるものです。

  • とび職が気になるけれど、自分には適性があるのか。
  • とび職に就職するには資格が必要か。
  • とび職への転職にはどのようなメリットがあるのか。

本記事ではそのような不安や疑問を抱えている人に向けて、とび職に関する情報を詳しく解説しています。とび職の魅力を知り、ぜひ転職活動に生かしてみてください。

 

とび職とは?

 

とび職の主な仕事は、さまざまな工事に伴う足場などの仮設構造物の組立てをはじめ、解体や重量物運搬などです。その仕事の範囲は広く、次のような工事に携わります。

  • 住宅
  • ビル
  • 橋梁
  • 高速道路
  • ダム

工事の大型化や多様化にともなってとび職の重要性が増し、現在では専門ごとにその仕事が分化する傾向にあります。次の項目で詳しいとび職の仕事内容をご紹介します。

 

とび職の仕事内容

とび職の仕事の内容は、次のとおりです。

建築とび 木造住宅などの建築に伴う棟上げ足場の組立てや解体作業を行う。
組立てとび 足場の組立て、型わく支保工、土止め支保工などの組立てやツーバイフォー工法の組立てを行う。
鉄骨とび 中高層ビルの鉄骨の組立てや橋梁の組立てなど比較的大型の工事を行う。
機械とび

(重量とび)

くい打ち、重量物の運搬などの作業を車両系建設機械(クレーン、デリック、移動式クレーンなどの建設機械や、ブルドーザー、モーターグレーダー、トラクター・ショベル、パワーショベルなど)を用いて行う。

なお、重量とびが扱う重量物は、空調装置や電気設備、給排水設備などを含む。クレーンなどで現場に運び、設置や組立て作業にも携わる。

 

とび職の平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」のデータによると、とび職の全国平均年収は、431万円です。

年齢別の年収をみてみると、40代まで右肩上がりで年収は増え続け、40代から50代前半は多少緩やかになるものの、ピークの506.33万円まで上がっています。

そのあと60代後半まで緩やかに下がりますが、70代で年収が再度上がり始めるところが他業種とは異なります。とび職は何歳になっても働き続けられる仕事なので、職業選択をする上で魅力的であるといえるでしょう。

*参考 厚生労働省 職業情報提供サイト「jobtag」

 

未経験からとび職への転職は可能?

とび職の仕事には学歴や資格が必要とされず、未経験でも転職しやすい業界です。実際に、転職サイトなどには「未経験歓迎」の求人が多く、就職してから丁寧に指導してもらえる会社も少なくないようです。

現場で見習いとして、先輩職人の仕事の手伝いをしながら実務を覚えていきます。慣れてきたら足場の組立てをまかされるなど一定年数の経験を積み、各種資格取得によって一人前を目指します。

 

とび職への転職のメリット

 

とび職に転職することで享受できるメリットは少なくありません。ここからメリットを紹介しますので、転職を考えている人は参考にしてみてください。

 

手に職をつけられる

とび職は、見習いとして少しずつ業務を覚えていったり、技術を身につけられたりします。経験を積んで資格を取得することで、一人前の職人に近づけるでしょう。一度身につけた技術は職人として全国で働けるスキルとして、大きな武器になります。

 

実力主義の評価基準

とび職は、学歴や年齢で評価されることはほとんどなく、実力主義の世界です。職人としての能力が高ければ若い人でも認められ、重要な仕事をまかされたり、昇進したりすることも珍しくありません。

能力次第で昇進や昇給のチャンスがあることは、仕事へのモチベーションアップにもつながるでしょう。

 

高年収が狙える

とび職の魅力の一つに、努力次第で高収入を狙える点が挙げられます。転職の際にリサーチをおこない、よい会社に就職できれば、若い人でも高い年収を目指せます。

ただし、常に向上心を持って職務に当たることや、自身のスキルアップのための資格取得などに積極的に挑戦していくことが必要です。

 

大きなやりがいがある

とび職人の仕事のやりがいのひとつは、何もないところから大きなものを作り上げる達成感です。自分たちの作り上げたものが形に残り、人々の役に立つことは、このうえないやりがいとなるでしょう。

 

健康的な生活が送れる

とび職は屋外での仕事なので、基本的には日中の太陽光のある時間帯に活動します。朝早くから現場に出ることも多く、生活習慣が規則正しくなります。

また、屋外で体を使うため、ジムに通わなくても筋肉が鍛えられます。仕事をしながらたくましい体づくりが可能です。

 

とび職に向いている人

 

とび職は向き不向きが顕著に現れる職業のひとつです。就職したあとに後悔しないためにも、転職活動をする前に自分に適性があるか知っておくとよいでしょう。

ここでは、とび職に向いている人の特徴を解説します。

 

体を動かすのが好き

とび職の業務は屋外での作業が大半であるため、室内であまり体を動かさずにゆったりと仕事をしたい人は、とび職の業務には不向きといえます。

反対に、幼い頃に室内で遊ぶよりも屋外で体を動かして遊ぶほうが好きだった人や、スポーツで体を動かすことが好きな人はとび職に向いています。

 

向上心がある

とび職は、経験と技術がものをいう世界です。年齢や学歴が求められない代わりに、技術を身につけなければ仕事になりません。

そのため、従来の技術はもとより、時代の流れで更新されていく新しい技術や、効率のよい作業方法などを抵抗なく取り入れられる柔軟さが必要です。また、一人前になったあとも常に自分のスキルをアップデートさせていく向上心が必要不可欠といえるでしょう。

 

モノづくりが好き

幼い頃に工作が好きだったり、プラモデルを組立てることにハマったりした人も多くいるでしょう。手作業でゼロからモノを作ることに夢中になれる人は、とび職に向いています。

自分の携わったモノが世の中に増えていく喜びは、仕上げたプラモデルをコレクションする時のワクワクした気持ちと通じるものがあるでしょう。

 

とび職への転職に役立つ資格

 

異業種からとび職への転職はそれほどハードルが高くありません。業界の人手不足もあり、未経験者にも門戸が広く開かれています。

しかし、右も左もわからないまったくの未経験の状態で就職すると、とび職人として現場でできることはほぼありません。仕事に慣れていくことにも時間がかかるため、最低限の知識を身につけておくとよいでしょう。

一定期間職務に当たらなければ受験資格を得られない資格や、未経験者が取得できる資格もあります。ここでは、とび職人が現場で働くために必要不可欠な2つの「特別教育」についてご紹介します。

「特別教育」とは、学科や実技の試験がなく、規定のカリキュラムを受講すれば取得できる資格です。

 

足場の組立て等特別教育

建設業界において、足場からの転落や墜落による労働災害が多発しており、死亡につながるケースもあります。そのような現状を踏まえて、事業者は特別教育の実施を義務付けられています。

対象業務は、足場の組立て、解体または変更の作業に係る業務(地上または堅固な床上における補助作業の業務を除く)です。

受講資格は満18歳以上で、特別教育の内容は学科が6時間で、内訳は以下のとおりです。

足場および作業の方法に関する知識 3時間
工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識 30分
労働災害の防止に関する知識 1時間30分
関係法令 1時間

一般講習は、2024年時点では全国5か所で開催されています。講習場所が自宅から遠い場合や日時の都合が合わない場合には、オンラインでも受講できます。自宅や会社のパソコンやタブレットでも受講できて便利です。

講習を終えると修了証が発行され、足場の組立て業務に携わることが可能になります。

*参考 一般財団法人中小建設業特別教育協会「足場の組立て等特別教育 講習会のご案内」

 

フルハーネス型墜落制止用器具特別教育

とび職人が高所作業(高さ2m以上)をする場合、原則としてフルハーネス型を着用することが義務付けられています。この資格は、フルハーネス型器具を正しくかつ安全に使用するための特別教育です。

受講対象者は、「高さ2m以上の箇所であって作業床を儲けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務を行う者」とされています。

現場での高所作業が多いとび職人にとって、フルハーネス型墜落制止用器具特別教育は必須の資格といえるでしょう。特別教育の内容は以下のとおりです。

学科4.5時間
作業に関する知識 1時間
墜落制止用器具に関する知識 2時間
労働災害の防止に関する知識 1時間
関係法令 30分
実技1.5時間
墜落制止用器具の使用方法 1時間30分

一般講習は、2024年時点では全国38都道府県でおこなわれていて、多いところでは5〜7回開催されています。会場が遠い場合や日時の都合が合わない場合は、オンライン講習を上手に活用しましょう。

*参考 一般財団法人中小建設業特別教育協会「フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 講習会のご案内」

 

とび職へ転職する方法とは

 

とび職の魅力を知り、自分に適性があることがわかれば、次は転職活動です。実際に、転職活動はどのように進めればよいのでしょうか。ここでは転職に向けた方法を2つご紹介します。

 

転職サイトで求人を探す

まずはインターネットで転職サイトを検索してみましょう。特定の年代に特化してオススメの案件を紹介しているサイトや、高い年収のみの案件を扱っているサイトなど、多くの転職サイトがあります。

サイト内を閲覧し求人を探して応募できるため、自分のペースで転職活動を進めたい人に向いています。

自分のニーズに合ったサイトをいくつか選び、求人を探してみましょう。

 

転職エージェントに登録する

転職エージェントに登録すると、担当者からサポートを受けながら転職活動を進められます。自己分析や書類作成、面接対策など、転職のプロに伴走してもらいながら効率よく転職活動が進められます。

転職エージェントを有効に活用するためには、自分の希望する条件などを担当者に詳細に伝えておくとよいでしょう。

 

イベント業界でもとび職の求人がある!

 

とび職に就職して経験を積み技術を身につけていけば、いずれフリーランスや独立開業の道も見えてきます。自分の仕事の幅を広げたり、業界に人脈を広げたりしておくことで、将来の選択肢は増えるでしょう。

そのようなときにオススメなのが「職人BASE」です。「職人BASE」は、職人とイベント業界をつなぐマッチングアプリで、イベント業界での仕事の案件を手元で簡単に探せます。

使用方法はLINEに無料登録するだけで、誰にでも簡単に使い始められます。気になる案件があれば直接発注者と話し、自分の要望に合った仕事内容であれば受注してください。

自分のペースで案件を探せるので、イベント業界のとび職の仕事にはどのような案件があるのかをチェックして転職活動の参考にしてみるとよいでしょう。

*参考 職人BASE

 

まとめ|とび職に転職して手に職をつけよう!

 

とび職の仕事の魅力や、仕事内容などについて解説しました。とび職は年齢や学歴に左右されない実力主義の職業です。努力次第で高収入を目指せたり、若くてもキャリアアップできたりするため、夢のある仕事といえるでしょう。

とび職の仕事に興味がありながらも、転職に向けてなかなか行動できずにいる人は、これを機会に一歩踏み出し、手に職をつけてみてください。

この記事を編集した人

職人BASE ライター

職人BASE 編集部

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