建築に欠かせない設計士の仕事ですが、年収や収入アップの方法が気になる方もいるのではないでしょうか。設計士の年収を決める上で重要な要素を理解しておけば、短期間で年収アップを狙うことも可能です。
この記事では、設計士の平均年収や年収を決める要素、年収を上げる方法についてご紹介します。設計の仕事に興味のある方やキャリアの方向性を見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
設計士と建築士の違い

混同されがちな設計士と建築士ですが、法律上の位置づけや業務範囲が異なります。設計士は実務上の呼び方で、建物や構造物の図面作成や設計業務を行う方を指すことが多いです。
建築士は国家資格を取得しないと名乗れず、建築士法に基づいて一定規模以上の建築物を設計・工事管理する仕事は独占業務になります。
つまり、設計の仕事をしていれば設計士と呼ばれることはありますが、建築士と呼ばれるのは資格を取得した方のみとなります。大きな違いとしては独占業務があるため、設計士は業務の範囲が限定されるので注意が必要です。
設計士の平均年収はどれぐらい?

設計士を目指す方にとって、平均年収は確認しておきたいポイントになります。年収相場や年収推移、男女差などについて解説するので、それぞれ確認しておきましょう。
設計士の年収相場
設計士の平均年収は、勤務先や地域、担当する分野によって差はあるものの、目安としてはおおよそ350万円〜500万円前後とされています。日本の平均年収と比べると、同程度か、やや低い水準といえるでしょう。
年収が抑えられやすい理由として挙げられるのが、資格の有無による業務範囲の違いです。設計士は建築士資格が必須ではないため、担当できる業務に制限があり、建築士のアシスタント業務を任されるケースも少なくありません。その結果、建築士と比較すると収入面で差が出やすい傾向があります。
*参考 建築設計士の年収はどれくらい?年収をアップするためのコツ | 建設・不動産専門の転職・求人情報サイトRSG転職ナビ
経験年数による年収推移
設計士は、経験やスキルが年収に直結しやすい職種です。キャリア初期はアシスタント業務が中心となるため、どうしても年収は抑えられがちですが、実務経験を重ねることで状況は大きく変わっていきます。
年数とともに設計業務の幅が広がり、プロジェクトを任される機会が増えるにつれて、報酬も段階的に上昇していくのが一般的です。特に、担当する案件の規模や責任範囲が拡大する30代以降は、年収が大きく伸びやすい時期といえるでしょう。
男性と女性で年収は変わる?
設計士の年収は、原則として性別による明確な差が生じる職種ではありません。評価基準は経験やスキル、担当する業務内容が中心となるため、本来は男女で大きな違いはないといえます。
ただし実態としては、大型案件を任される割合や管理職に就く比率が男性の方が高い企業も多く、その結果として年収差が生まれているケースも見受けられます。これは能力の差というより、役割分担や働き方の違いによる影響が大きいと考えられるでしょう。
近年では、在宅勤務やフリーランスといった柔軟な働き方を選択できる環境も整いつつあり、女性設計士が活躍できる場は着実に広がっています。継続的にスキルを磨き、キャリア形成を意識して行動することで、男女差を埋めながら高年収を目指すことは十分に可能です。
設計士の年収を決める要素

設計士の年収を決める主な要素は以下の通りです。それぞれ確認してどのような方法で年収を伸ばすかイメージすることで、効率的に年収アップが可能です。
- 勤務先の規模と業態
- 保有資格
- 扱える分野の広さ
- 図面スキル
- 現場調整能力・コミュニケーション能力
勤務先の規模と業態
大手ゼネコンや有名設計事務所では、プロジェクトも大型のものが多く報酬水準が高くなる傾向にあります。地域密着型の小規模な事務所では、年収が抑えられることも多くなっています。
一方で大手企業は入社が難しく社内の競合も激しいといったデメリットもあり、小規模な事務所では早くから幅広い業務を任されるといった点がメリットです。それぞれの特徴を理解して、自身にあった勤務先に就職することがおすすめです。
保有資格
設計士は、資格を取得することで大きく年収が増える可能性があります。一級建築士や二級建築士、建築設備士などの資格を取得することで、資格手当や基本給が上乗せされる企業も多いです。
就業規則などに記載されていることもあるので、あらかじめ確認してから資格取得にチャレンジすることがおすすめです。資格を取得しておけば転職活動でも有利になるので、積極的に検討してみましょう。
扱える分野の広さ
扱える業務の分野を広げられれば、設計士として年収アップを狙えます。構造設計などひとつの業務に特化している方よりも、複数分野に対応できる方が人材としての希少価値は高いです。
規模の大きい業務を経験していれば、実績としてアピールできるので条件交渉時にも有利になります。
図面スキル
設計士にとってもっとも評価されるスキルは、図面に関するスキルです。正確で読みやすかったり法規に沿って設計ができたりする方は、評価や年収に直結します。
CADなどのソフトを扱える方やITに強い方も、最近では評価される傾向にあるのでスキルアップして年収増加を狙いましょう。
現場調整能力・コミュニケーション能力
設計士は設計業務以外にも、施工担当者や施主など多くの方と打ち合わせや調整を行います。コミュニケーション能力の高い設計士は、現場をスムーズにまわせるため評価されやすいです。
工期や予算管理、現場でのトラブル対応なども求められるので、調整力が重要になる仕事でもあります。
設計士が年収を上げる方法

設計士が年収を上げるためには、ただ業務をこなすだけでなく工夫が必要になります。年収を上げる方法を解説するので、それぞれ確認しておきましょう。
専門スキルを磨く
CADやBIM、構造計算といった専門性を高めることで、設計士としての評価は大きく向上します。特定分野に強みを持つ人材は、即戦力として重宝されやすく、企業からの期待値も高まります。
さらに、ITツールを積極的に活用する力や、関係者と円滑にやり取りできるコミュニケーション能力を磨くことで、他の設計士との差別化が可能です。こうした付加価値を持つことで、転職時や評価面談の場でも年収アップの交渉がしやすくなり、キャリアの選択肢も広がっていくでしょう。
資格の取得
建築士資格の取得は、設計士として年収アップを目指すうえで非常に大きな武器になります。資格を持つことで担当できる業務の幅が広がり、評価や待遇面でも有利になりやすい点が特徴です。企業によっては就業規則に資格手当が明記されている場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
設計士としてキャリアアップや年収アップを目指すうえで、取得しておくと有効な資格は以下のとおりです。
- 一級建築士
- 二級建築士
- 木造建築士
- 建築施工管理技士
転職活動
同じ職場にいると定期昇給のみで、年収が短期間では上がりづらい傾向にあることも多いです。転職活動を行って自分の市場価値を確認したり、高年収の企業に転職することで短期間での年収アップも狙えます。
副業やフリーランス・独立
設計士は図面作成や確認申請代行、BIMオペレーターなど業務委託の案件も多いです。副業などで業務を受注することで、年収アップを狙えます。
案件を増やしていって独立すれば、年収1,000万円以上も不可能はないのでぜひチャレンジしてみましょう。
設計士の求人・案件を探したい方は「職人BASE」がおすすめ

設計士として年収アップを検討している方は、職人向けの採用支援サービス「職人BASE」の活用がおすすめです。求人や案件が数多く掲載されていて、転職活動と案件獲得の両方が狙えるサイトになります。
スマホからでも求人検索ができるため、スキマ時間で案件を探せる点も魅力です。LINEを活用してやりとりするので、通知やメッセージの見逃しといった心配もなくなります。
会員登録は無料のため、はじめて利用する方でも安心して利用が可能です。職人向け求人サイトの「職人BASE」を有効活用して、希望する働き方を実現してみましょう。
*参考 職人BASE
まとめ|設計士としてスキルを磨いて高年収を目指そう

この記事では設計士の平均年収や年収を決める要素、年収を上げる方法についてご紹介しました。設計士は経験やスキルが年収に直結する職種で、扱える分野の広さや資格取得が大きな武器になります。
建築士資格は特に年収アップに直結することが多く、転職活動や独立によってさらに活躍の場を広げることも可能です。副業やフリーランス案件も増えているため、働き方の選択肢も広くなっています。
キャリアアップを希望する方は「職人BASE」などのプラットフォームを活用して、理想の働き方を実現していきましょう。