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空間デザイナーの年収|気になるキャリアアップについても解説!

おしゃれで華やかなイメージのある空間デザイナーに憧れる人も少なくありません。しかし、実際に生涯の仕事にするとなると、年収はいくらくらいなのか、続けていくとどのくらい年収が上がるものなのかは気になるところです。

そこで、本記事では、空間デザイナーの年収に加え、キャリアアップの方法、資格取得の詳細などについて解説しています。一読し、今後のキャリアプランの参考にしてみてください。

 

空間デザイナーの仕事内容

 

空間デザイナーは、マンションや戸建て住宅、店舗や商業施設など、さまざまな規模の建築物における、空間のデザインを手がけます。

空間デザインの要素は、形、素材、光、色の4つで構成されています。それらを駆使して、いかに顧客の要望を忠実に具現化できるかが空間デザイナーの腕の見せどころと言えるでしょう。

受注する仕事は、建物の内装や外装はもとより、照明や家具などの細部に至るまで、企画、設計、構成を一貫して請け負うことがほとんどです。

したがって、顧客の要望を正しく聞き出し、忠実にコンセプトに反映させる能力も必要です。また、コンセプトに沿った工事を進めてもらえるように、業者に対しての的確な説明と、相応のコミュニケーション能力も不可欠でしょう。

具体的な作業の例としては、以下の通りです。

  • 発注者と打ち合わせをして、要望のコンセプトに基づきデザイン構想を練る。
  • ラフスケッチや模型を制作してイメージを具体化する。
  • CADやイラストのソフトを使って、図面プランや完成予想図を作り、発注者の了解を得て、平面図や立体図を作成する。
  • 図面をもとに、施工業者に制作を依頼する。
  • 施工に立ち会い、イメージ通りか確認する(必要であれば手直しを指示)。

 

空間デザイナーになるには

 

空間デザイナーになるために、とくに学歴や資格は必要とされていません。しかし、関連する専攻がある専門学校や大学などで基本や応用を学んでいることが多いようです。

ディスプレイ専門の会社などに就職する場合は、ディスプレイデザインや空間演出デザイン、VMD(ヴィジュアルマーチャンダイジングの略)などがそれらにあたります。

入職後すぐは、アシスタントデザイナーとして数年の実務を経てから、一人前として仕事を任せてもらえるようになります。基本的デザイン力や表現力をもち、ファッションや流行に敏感であることが求められます。

 

空間デザイナーの年収はいくらか

 

今後のキャリアプランを考える上で、空間デザイナーの収入はいくらくらいなのか、年齢による収入の幅も気になるところです。フリーランスとして独立開業すると収入はどう変わるのかについても以下の項目で解説していきます。

 

全国の空間デザイナー平均年収

厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagのデータによると、全国の空間デザイナー(ディスプレイデザイナー)平均年収は、480.6万円です。

年齢別の年収では、20代の年収200万円台から、30代後半あたりまでに緩やかに上昇し、40代くらいから年収500万円を超えていくような傾向です。なお、データ上は60歳時点で年収585.38万円と、最高額になっています。

*参考 厚生労働省「職業情報提供サイトjobtag」

 

フリーランスの年収と将来性

フリーランス協会の「フリーランス白書2023」のデータによると、空間デザイナーが属する「クリエイティブ・Web・フォト系」の年収は、400万円未満が52.2%、400万円以上が46.9%です。

過去に一つの会社に所属していた経験があると回答した割合は96.6%で、そのうち、会社員時代の年収と比べて「増えた」と回答したのは45.9%、「変わらない」が12.9%、「減った」が41.2%という結果です。

もちろん、個々のスキルや経験年数、もっている人脈などによって年収に大きな差が出てきます。しかし、半数以上が会社員時代の年収と同じか、それ以上と答えているので、フリーランスは働き方次第で収入アップを目指していける見込みがあると言えます。

ここで、リクルートワークス「データで見る日本のフリーランス」に興味深いデータがありました。クリエイティブ職(美術か、写真家、デザイナー)の独立後の年収増減率を見ると、40%から100%未満増が15.5%、100%以上増が20.8%という結果です。

おおよそ3割の人は大きく収入を伸ばしているという結果は、独立を目指す人にとってモチベーションアップになるでしょう。

*参考 フリーランス協会「フリーランス白書2023」

*参考 リクルートワークス「データで見る日本のフリーランス」

 

空間デザイナーのキャリアアップ

 

空間デザイナーとして今後も仕事を続けていくにあたって、キャリアアップして年収を上げていきたいと考えることは自然なことです。ここでは、空間デザイナーがキャリアアップするための方法を解説していきます。

 

資格を取得してスキルアップする

空間デザイナーは、とくに資格を必要とする職種ではありませんが、顧客のニーズに沿った魅力的な空間をデザインするために、資格取得は有効な手段です。

専門的な知識を身につけることで、キャリアアップの面でも、顧客からの信頼の面でも、大きなメリットとなり得ます。

また資格は、客観的な評価の尺度によってスキルの水準がある一定以上であることを証明してくれます。フリーランスとして新たな仕事を得る時も、技術者の証明として、資格を有効活用してみましょう。

 

空間ディスプレイデザイナー(日本デザインプランナー協会)

空間ディスプレイデザインには、陳列の知識や技術、色彩演出、照明技術などのさまざまな技能が必要です。空間ディスプレイデザイナー資格は、これらのスキルを証明してくれます。協会指定の認定講座は以下の2つです。

  • SARAスクールジャパン「空間プロデュース資格取得の通信教育講座」
  • 諒設計アーキテクトラーニング「空間ディスプレイデザイナーW資格取得講座」

1級は、空間ディスプレイデザインの基礎・応用技術に加えて、空間を表現する技能を有していることを認定します。認定試験の出題内容は、空間の陳列の基礎・応用、色彩・ヴィジュアルマーチャンダイジング(VMD)の基礎知識・応用などについてです。

2級は、空間ディスプレイデザインの基礎・応用技術を有していることを認定します。認定試験の出題内容は、空間の陳列の基礎・応用、色彩の基礎知識、ヴィジュアルマーチャンダイジング(VMD)の基礎知識などについてです。

受検資格はとくになく、在宅で受験ができることに加え、2か月ごとに試験が実施されているので、挑戦しやすい資格と言えるでしょう。資格取得後は、カルチャースクールなどで講師活動もできます。

*参考 日本デザインプランナー協会「空間ディスプレイデザイナー資格認定試験」

 

インテリアコーディネーター(公益社団法人インテリア産業協会)

インテリアコーディネーター資格は、インテリア(内装、家具、ファブリックス、照明器具、住宅設備等)に関する幅広い商品知識をもち、快適な住空間を作るために、インテリア計画や商品選択のアドバイスができることを証明します。

資格試験は一次試験と二次試験があり、概要は以下の通りです。なお、一次試験合格後、次年度から3年間は一次試験が免除されます。

一次試験 二次試験
実施時間 120分 180分
受検資格 不問 過去3年以内に一次試験に合格していること
試験科目 学科(解答選択式) プレゼンテーション・論文
出題数 全36問 各1問(年度により異なる)
試験方式 CBT方式 筆記式
試験審査範囲 1、インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること

2、インテリアコーディネーターの仕事に関すること

3、インテリアの歴史に関すること

4、インテリアコーディネーションの計画に関すること

5、インテリアエレメント・関連エレメントに関すること

6、インテリアの構造・構法と仕上げに関すること

7、環境と設備に関すること

8、インテリアコーディネーションの表現に関すること

9、インテリア関連の法規、規格、制度に関すること

プレゼンテーション・論文によるインテリア計画の提案に関すること

*参考 公益社団法人インテリア産業協会「インテリアコーディネーター資格試験」

 

インテリアデザイナー(日本デザインプランナー協会)

インテリアデザイナー資格は、インテリアデザイナーとして幅広い知識を有していることを認定します。認定試験の出題内容は、家具や照明などのインテリアに関する商品知識のほか、販売や技術等に関して、幅広い基礎知識についてです。資格取得後は、カルチャースクールなどで、講師活動もできます。協会指定の認定講座は以下の2つです。

  • SARAスクールジャパン「インテリアデザイナー資格取得の通信教育講座」
  • 諒設計アーキテクトラーニング「インテリアデザイナーW資格取得講座」

受検資格はとくになく、在宅で受験ができることに加え、2か月ごとに試験が実施されているので、挑戦しやすい資格と言えるでしょう。

*参考 日本デザインプランナー協会「インテリアデザイナー資格認定試験」

 

エクステリアプランナー(JPEX日本エクステリア建設業協会)

エクステリアプランナーは住宅まわりの設計や設備の計画に関する、屋外に特化した資格です。建物の外観の空間をデザインするので、庭のディスプレイや植栽の配置、外壁塗装、工事などの知識が必要です。

1級は、一般住宅や共同住宅の建物まわり(外構)全般の設計・工事・監理を任せられるだけの専門知識と技術を有していることを認定します。

2級は、その設計に従事する基本的知識を有していることを認定します。なお、義務として、どちらも5年ごとに更新登録しなければなりません。

資格試験は1級と2級、それぞれに学科試験と実地試験があります。概要は以下の通りです。

【1級】 学科試験 実地試験
試験時間 2時間 3時間45分
受験資格 1、建築コンクリートブロック工事士

2、1級2級建築士

3、木造建築士

4、1級2級建築施工管理技士

5、1級2級造園施工管理技士

6、1級2級土木施工管理技士

7、給水装置工事主任技術者

8、2級エクステリアプランナー(エクステリア関連業界3年以上の実務経験要、さらに受験時に有効期限内の2級の資格証を所有)

試験科目 1、エクステリア概論

2、法規

3、プランニング

4、構成部材

5、植栽

6、構造

7、原価管理

8、工程管理

9、施工

設計図の作成(A3用紙2枚)
試験方式 五肢択一方式(全50問) 作図用紙1枚に平面図を作図。作図用紙1枚に立面図と断面図の作図および設計意図、植栽リストを記述。
【2級】 学科試験 実地試験
試験時間 2時間 1時間45分
受験資格 不問
試験科目 1、エクステリア概論

2、法規

3、プランニング

4、構成部材

5、植栽

6、原価管理

7、工程管理

1、設計の知識(学科)

2、ゾーニング図の作成(A3用紙1枚)

試験方式 五肢択一方式(全50問) 作図用紙1枚に以下の内容を記述。

1、計画の設計意図

2、部位とゾーニング計画の内容

3、ゾーニング図の作成

*参考 JPEX日本エクステリア建設業協会「資格・講習・CCUS」

 

カラーコーディネーター(東京商工会議所)

カラーコーディネーターの資格を取得することによって、商品を引き立たせる並べ方や照明の明るさ、誘導表示の色など色に関する基礎知識をさまざまなビジネスシーンで生かせます。

試験方式は2種類で、IBT方式(受験者自身のパソコン・インターネット環境を利用し受験)と、CBT方式(各地のテストセンターの備え付けパソコンで受験)です。その他の試験概要は以下の通りです。

スタンダードクラス アドバンスクラス
各級基準 日常から見た色彩に関する基礎的な知識について理解している。 スタンダードクラスの知識に加え、ビジネスにおける色彩の活用事例など幅広い知識を有している。
出題範囲 スタンダードクラス公式テキストに該当する知識と、それを理解した上での応用力を問います。 アドバンスクラス公式テキストに該当する知識と、それを理解した上での応用力を問います。
合格基準 100点満点とし、70点以上をもって合格とします。
試験形式・時間 多肢選択式・90分
受験場所 IBT方式は自宅や会社等(必要な機材含め受験者自身で手配)

CBT方式は全国各地のテストセンター

*参考 東京商工会議所「カラーコーディネーター検定試験」

 

実績を積んでフリーランスになる

まずは、企業に属して、空間デザイナーとして専門職の仕事を続けながら、VMDディレクター(プランニングから関わる人)等になり、仕事の幅を広げます。

マーケティング関連、商品やファッション関連、建築、施工関連などの広範囲な知識を身につけ、業界の人脈を広げておきましょう。

安定的な仕事の受注の目処が立ち、会社員でいるよりも年収が多く見込めそうならば、独立開業して、フリーランスを目指してみるのも選択の一つです。

会社員とは違い、自分の働き方次第で大きな収入が目指せることは、自分の仕事に対するモチベーションアップにつながります。

 

イベント業界で空間デザイナーの仕事を探してみよう!

 

現在はイベントの開催制限がなくなり、各地でコロナ以前のようなイベントが開催されるようになりました。

それに伴い、イベント関連の仕事も増加しています。もし空間デザイナーとして、新しい分野の開拓を考えるならば、イベント業界の仕事に挑戦してみるのもよい選択です。

そこで、イベント関連の仕事の需要と供給をマッチングしてくれるオススメのサービス「職人BASE」をご紹介します。アプリの登録は無料で、スマホを使って簡単に案件が検索可能なので、自分に合った案件を受注できます。

  • スキマ時間で収入を増やしたい
  • 独立・事業拡大に向けて新規取引先を見つけたい
  • 自分の得意分野を生かせる案件を見つけたい

そのように考えている人は、ぜひ「職人BASE」のサイトをチェックしてみてはいかがでしょうか。

*参考 「職人BASE

 

まとめ|空間デザイナーとして年収アップは可能!

 

空間デザイナーは、専門的な知識を生かしたクリエイティブな専門職です。着実に実績を積み、資格取得などでキャリアアップを図れば、年収を上げていくことは可能なことがわかりました。

豊富な知識と技術を武器に、仕事での自己実現を果たすために、さらなる自己研鑽に励んでいきましょう。

この記事を編集した人

職人BASE ライター

職人BASE 編集部

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